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第13話:宇宙の果て
Aパート(3)
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搭載してきた宇宙戦闘機スフィア3を全て破壊すると、レッドノーム号はシャトルに攻撃を集中する。シャトルにはプロテクション・フロム・ミサイルの魔法陣が設置されているのか、レーザーは命中せず、今のところ撃破はされていない。。
一方シャトルも戦闘用ではないので、スフィア3が破壊されてしまえば攻撃力はないようだった。このままではレッドノーム号に接近されてミサイルとレーザーの集中砲火で撃墜されてしまう未来が待ち構えていた。
『…レッド…ーム号、我々は…伏する』
途切れ途切れに国際緊急周波数でシャトルからの通信がアルテローゼに入る。どうやらシャトルは降伏すると言っているようだが、レッドノーム号からはそれに対しての返信はなかった。
『まさかトーゴー大佐は降伏を受け入れないつもりか。戦時国際法違反だぞ』
ディビットは驚きの声を上げる。
『どうやらあの宇宙船の艦長は、捕虜を取るつもりがないようだな。しかし、無抵抗で降伏している相手に攻撃を続けるとは、トーゴー大佐とやらは軍人失格だな』
レイフも降伏を受け入れないレッドノーム号の船長に対して怒りをあらわにしていた。
『慌てるな。レッドノーム号はどうやら降伏を受け入れるようだぞ』
そんなレイフとディビットにケイイチが指摘する。モニターを見ると、レッドノーム号はレーザー砲による攻撃を止めてシャトルに接近する軌道を取っていた。
「良かった」
攻撃を止めたレッドノーム号を見て、レイチェルがほっとした表情を浮かべる。
『フム。接近すると言うことは、接舷して乗り込み白兵戦をするつもりではないのか?』
『ははっ、海賊でもあるまいし、連邦宇宙軍がそんな事をするわけないだろ』
ディビットがレイフの言葉を笑い飛ばす。
『だが、この速度ではレッドノーム号はシャトルに接舷どころか、衝突するぞ?』
『いやいや、普通に接舷するだろう』
レイフとディビットがそんな会話を繰り広げる間に、レッドノーム号はシャトルどんどん接近していく。
『おいおい、どうして制動しない。このままじゃ本当に衝突してしまうぞ!』
『体当たりするつもりなのか。そうなったらシャトルは木っ端微塵だぞ?』
プロテクション・フロム・ミサイルの魔法も、体当たりを防ぐことはできない。そして全員が見守る中、レッドノーム号は衝突しその巨体と質量でシャトルを破壊してしまった。
『…』
『…』
「酷い…」
木星方面軍の宇宙船はアステロイドベルトなどの小惑星地帯を航行するため、スペースデブリをモノともしない装甲を持っている。しかし頑丈な装甲を持っているとはいえ、まさか体当たりでシャトルを破壊するとは誰も思ってみなかったため言葉も出なかった。
「…えっと、このままじゃあたい達も同じ目にあうんじゃないの?」
真っ先に正気に戻ったのはアイラであった。
『…おう、そうだな。恐らくレッドノーム号もこちらが軌道上に上がってきたことには気付いているはずだ。シャトルが片付いたのなら、こちらに攻撃を仕掛けてくるだろうな』
ディビットは慌ててアルテローゼとレッドノーム号の軌道計算に取りかかった。
『先ほどレーダー波を感知したから、アルテローゼは確実に補足されているな』
レイフは先ほど自分の装甲を長距離レーダー波が通り過ぎていったことを感じ取っていた。
「ステーションまであと二時間ですが、レッドノーム号に攻撃される前にたどり着けるのでしょうか?」
『このままの軌道なら、レッドノーム号の攻撃範囲に入る前にたどり着ける計算だが、そう上手くはいかないだろうな』
アルテローゼの打ち上げは、レッドノーム号と遭遇しないタイミングを狙ったものである。つまりレッドノーム号が何も行動しなければステーションにたどり着ける。
『あっちは加速し始めたぞ。だが、アルテローゼから離れる方向に加速しているのだが?』
レイフはレッドノーム号が加速し始めた事を感知したが、加速方向はアルテローゼと逆の方向であった。
『そりゃ軌道上で近づくなら、加速するのはセオリーだからな』
『何故だ、加速したら離れるだろう?』
『レッドノーム号とアルテローゼは同じ軌道上で同じ方向に回っているんだ。その状態でアルテローゼの方向に加速すると、高度が下がって逆に速度が上がるんだ。だから、加速して高度を上げて速度を落とすんだ』
『…まったり理解できない』
AIとなったレイフだが、魔法以外は科学は発達していない異世界人である。知識はネットやアルテローゼのデータベースから得ることはできるが、衛星軌道上での戦いのセオリーなど理解できるはずもなかった。
「私も理解できませんわ」
「…無理」
アイラはともかくレイチェルもディビットの説明を理解できなかったようで、恥ずかしそうにしていた。
『…まあ、とにかくこのままじゃレッドノーム号に上を取られて攻撃されることになる。そうなる前に何か手を考えなきゃいけない。何か良い手はないかな?』
そう言って、ディビットはモニターにアルテローゼとレッドノーム号の予想軌道を表示した。
一方シャトルも戦闘用ではないので、スフィア3が破壊されてしまえば攻撃力はないようだった。このままではレッドノーム号に接近されてミサイルとレーザーの集中砲火で撃墜されてしまう未来が待ち構えていた。
『…レッド…ーム号、我々は…伏する』
途切れ途切れに国際緊急周波数でシャトルからの通信がアルテローゼに入る。どうやらシャトルは降伏すると言っているようだが、レッドノーム号からはそれに対しての返信はなかった。
『まさかトーゴー大佐は降伏を受け入れないつもりか。戦時国際法違反だぞ』
ディビットは驚きの声を上げる。
『どうやらあの宇宙船の艦長は、捕虜を取るつもりがないようだな。しかし、無抵抗で降伏している相手に攻撃を続けるとは、トーゴー大佐とやらは軍人失格だな』
レイフも降伏を受け入れないレッドノーム号の船長に対して怒りをあらわにしていた。
『慌てるな。レッドノーム号はどうやら降伏を受け入れるようだぞ』
そんなレイフとディビットにケイイチが指摘する。モニターを見ると、レッドノーム号はレーザー砲による攻撃を止めてシャトルに接近する軌道を取っていた。
「良かった」
攻撃を止めたレッドノーム号を見て、レイチェルがほっとした表情を浮かべる。
『フム。接近すると言うことは、接舷して乗り込み白兵戦をするつもりではないのか?』
『ははっ、海賊でもあるまいし、連邦宇宙軍がそんな事をするわけないだろ』
ディビットがレイフの言葉を笑い飛ばす。
『だが、この速度ではレッドノーム号はシャトルに接舷どころか、衝突するぞ?』
『いやいや、普通に接舷するだろう』
レイフとディビットがそんな会話を繰り広げる間に、レッドノーム号はシャトルどんどん接近していく。
『おいおい、どうして制動しない。このままじゃ本当に衝突してしまうぞ!』
『体当たりするつもりなのか。そうなったらシャトルは木っ端微塵だぞ?』
プロテクション・フロム・ミサイルの魔法も、体当たりを防ぐことはできない。そして全員が見守る中、レッドノーム号は衝突しその巨体と質量でシャトルを破壊してしまった。
『…』
『…』
「酷い…」
木星方面軍の宇宙船はアステロイドベルトなどの小惑星地帯を航行するため、スペースデブリをモノともしない装甲を持っている。しかし頑丈な装甲を持っているとはいえ、まさか体当たりでシャトルを破壊するとは誰も思ってみなかったため言葉も出なかった。
「…えっと、このままじゃあたい達も同じ目にあうんじゃないの?」
真っ先に正気に戻ったのはアイラであった。
『…おう、そうだな。恐らくレッドノーム号もこちらが軌道上に上がってきたことには気付いているはずだ。シャトルが片付いたのなら、こちらに攻撃を仕掛けてくるだろうな』
ディビットは慌ててアルテローゼとレッドノーム号の軌道計算に取りかかった。
『先ほどレーダー波を感知したから、アルテローゼは確実に補足されているな』
レイフは先ほど自分の装甲を長距離レーダー波が通り過ぎていったことを感じ取っていた。
「ステーションまであと二時間ですが、レッドノーム号に攻撃される前にたどり着けるのでしょうか?」
『このままの軌道なら、レッドノーム号の攻撃範囲に入る前にたどり着ける計算だが、そう上手くはいかないだろうな』
アルテローゼの打ち上げは、レッドノーム号と遭遇しないタイミングを狙ったものである。つまりレッドノーム号が何も行動しなければステーションにたどり着ける。
『あっちは加速し始めたぞ。だが、アルテローゼから離れる方向に加速しているのだが?』
レイフはレッドノーム号が加速し始めた事を感知したが、加速方向はアルテローゼと逆の方向であった。
『そりゃ軌道上で近づくなら、加速するのはセオリーだからな』
『何故だ、加速したら離れるだろう?』
『レッドノーム号とアルテローゼは同じ軌道上で同じ方向に回っているんだ。その状態でアルテローゼの方向に加速すると、高度が下がって逆に速度が上がるんだ。だから、加速して高度を上げて速度を落とすんだ』
『…まったり理解できない』
AIとなったレイフだが、魔法以外は科学は発達していない異世界人である。知識はネットやアルテローゼのデータベースから得ることはできるが、衛星軌道上での戦いのセオリーなど理解できるはずもなかった。
「私も理解できませんわ」
「…無理」
アイラはともかくレイチェルもディビットの説明を理解できなかったようで、恥ずかしそうにしていた。
『…まあ、とにかくこのままじゃレッドノーム号に上を取られて攻撃されることになる。そうなる前に何か手を考えなきゃいけない。何か良い手はないかな?』
そう言って、ディビットはモニターにアルテローゼとレッドノーム号の予想軌道を表示した。
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