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第二章 軍団の誕生
第6話 獣人発見
しおりを挟むバスタオルを数枚手に持ち、彼女の体を拭いていく……彼女だよな。
女性のヌードだ。
け、決してやましい気持ちは……ないヨ。
……
ちょっと、待とうか。
少しおしりを確認。
あるものがないのは女性だから当たり前として、あるはずのないものがあるんだよ。
これ、俺は見たことがあるが、決して人にはついていなかった。
近所の人が飼っていた猫についていたしっぽだよな。
あれ、そうなると、やはりあったよ、カチューシャのはずはないからこれもこの人の自前だろうが耳だよな、小さな獣耳。
それなら髪の毛で隠れている本来耳のある場所には何があるのかなって、これって俺が読んだことのあるライトノベルでは見られると相当恥ずかしいことのように書かれていたので、これ以上のコメントは控えるとして、彼女の体を一通り拭いて、そのまま今手にしている乾いたバスタオルにくるんで担ぎ、俺が使っている船長室に運ぶ。
船を動かしたいが、彼女の様子も気になるから、艦橋に近い船長室は便利だ。
とにかく今はベッドに寝かせて、もう一度確認。
救助した時よりもしっかりと息はしている。
意識はないようだが、寝ているとも見えるからそのうち起きるだろう。
脈拍もどれくらいが正常かはわからいが、俺と比べれば若干早いくらいだからとりあえず良しとして、体にも赤みが戻り血行が救助した時と比べ格段に改善しているようだ。
顔色が普通の人と変わりがないくらいにまで変化している。
これからまた冷えたらさすがに良くないだろうから毛布を掛けておく。
暑ければ自分でどかすだろう。
さすがに毛布を掛けた状態で、つい先ほどまで低体温が危ぶまれる状態から熱中症にはならんだろうが、できる限り様子を見ていく。
一人をあんな状態で発見したのだ。
他にいないはずはない。
最悪間に合わず彼女だけということもあるだろうが、それでも何かしらの痕跡は残る。
ここからは入念に調べていく。
そうなると俺一人というのもマンパワーが足りないが、無いものをねだってもしょうがない。
まずは救助で使ったボートの片づけだ。
ボートを片付けながら海流を調べる。
潮の流れがあるのか、あるのならばどちらの方角からなのかなど見てみるが、あいにくそんな分かりやすいのはなかった。
まあ、はっきりとわかりやすい海流があるのは特別の場所だけになる。
多くの大洋上でははっきり海流とわかるような場所はそれこそ海流ごとに名がついていたくらいだから地球でも早々あるものでもないし多分この世界でも同様だろう。
だとするとだ、彼女の場合はどうだったということになる。
あの場所で船が沈んで、相当時経てばばありえないことではないが、はっきり言ってそういう条件ならば彼女は生きてはいまい。
それどころかつかまっていたチェストから落ちて、今頃は魚のえさになっている。
それに何より、あそこが沈没現場ならばチェスト一つだけの漂流ということがありえないくらいにおかしいことから、そもそも彼女は沈没船という線はまずないだろう。
沈没船からの遭難者ならば同じように彼女の近くには漂流物ばなければならないがそれもない。
だとすると何だろう。
全く想像もつかない。
まあ、俺の経験が圧倒的に少ないので、経験から来る推理はあてにできないので、ここは先人の知恵を借りるが、俺の習った教本にもこのようなケースはなかったと思える。
現状分かっている情報だけを勘案して、彼女がどこからか流れてきたかということが不明のままになるが、海流ではないとなると風だよりになる。
あいにく、この風だけはどこにでも吹く。
無風の方が少ないくらいだ。
向きについては時間でも季節でも、それこそ好き勝手に変わることの方が普通だ。
決まった方角から吹くこともあるが、これも海流同様場所が限られてくるが、果たしてこの場所が、その決まった場所なのかは不明だ。
それでも手掛かりになるから、ボートを片付けたら艦橋で付近の気象条件を確認していこう。
普通ならば1時間はかかるボートの片づけだが、まだ、意識の戻らない女性がいるので、とりあえず甲板上にボートを引き上げた状態で一度艦橋に戻ることにした。
途中船長室に寄って女性の様子を確認するが、先ほどから変わらず寝ているようにも見える。
相当体力を使っていたのだろう。
目が覚めるまではあと数時間はかかりそうだ。
俺は艦橋に戻りレーダー画面を確認後、気象レーダーやその他気象状況を表示する画面を確認する。
これには常に風向風速の他に気温や気圧、それに雨量までもが記録される。
数時間までさかのぼって風向と風速、それに天気を確認してみた。
俺がこの世界で気が付いてから、たぶんこの世界にきてからだとは思うが、まだ24時間はたっていない。
なので、数日前までさかのぼる必要がないので、簡単に確認すると、数時間は安定して北西の方向から1~2mの風が吹いている。
海上は凪いでいるといってもいいくらいに穏やかな状態が続いた。
そういえばそうだな。
いくら俺が疲れていたからと言って、ソファーで横のなった直後に寝てしまったくらいだ。
荒れた海上ではソファーで休憩するなんて気にすらならならなかっただろうに。
となると、とりあえず北西方向に絞って調査をするか。
もう一度レーダーを確認してレンジなどもいじってみるが何も変化はない。
デフォルトの状態にいじったレンジを戻して、双眼鏡で北西方向をゆっくりと監視してみるが、あれ以来漂流物は見つからない。
船の沈没ではなさそうだ。
となると彼女は乗っていた船からの転落か、津波にさらわれての漂流か。
そのあたり彼女の意識が戻ってからだが……果たしてコミュニケーションってとれるのだろうか。
ボディーランゲージですら難しそうだ。
人?ではないよな、彼女は。
まあ、付近には漂流物は無しと、これ必要かは知らないが、当直日誌にでも記録しておこう。
当直デスクに据え付けられているPCを立ち上げて日誌を開き記録する。
『女性の救助と漂流物の回収、それにそれ以外の漂流物は見えず』
これで良し。
でも、さすが複製品だけあって過去の記録も残っているはずなのだが、あいにくそういうものは一切なかった。
アクセス権限は俺にすべてあるというか、ロックが全くかかっていないので、調べることはできたが、データ上では確認ができない。
ちなみに船長室に戻り船長日誌も開くが問題なく開けたから、この船は完全に俺の手中にあるわけだ。
尤もこちらも同様で、船長日誌にはデータは残ってなかった。
船長たちの痕跡を探るには、散らばっていた書類を見ることだけだが、必要もないし、書類の類は机の中に片しておいた。
まあ、この船に関するアクセスだが、全てが俺に対して開かれている。
本来船長のみが許される各種の操作においても、ロックがかけられることは無かった。
あれ、そうなるとこの船に4機だけあるサイロからのミサイルも俺が発射できるというわけか。
まあ、使いたくはないし、できればよくある物語のように文化レベルっていうのそういうのが低い世の中であってほしい。
何せ俺のチートってこの船しかないから。
あ、今のところっていう話で、あの『神様』や『カミサマ』が言っていたように大きな船を見つけるまでだが。
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