45 / 121
第三章 拠点
第45話 遭難船再び
しおりを挟むそこから簡単に作戦を練った。
と言っても、現在この船に乗っている16名のうち、6名をボートで送るだけのことだが、派遣組にフランとケリーを加えてあるので8名のメンバーとなった。
騎士に一人とフランにそれぞれ携帯用の無線機を持たせて、使い方を説明する。
先ほどまで島の仮設基地との間でさんざん遊んでいたフランはすぐに使い方を完全にマスターしていた。
俺のつたない説明の他にフランからの説明もあり騎士もすぐに使い方をマスターしたので、ボートを出して向こうの船に向かってもらった。
後俺のやることと言えば、ドローンを飛ばしてフランたちの安全のための監視だけだ。
さてさて俺のすることはというと、倒した魔物の調査だ。
というのも、ケリーや他の騎士たちから、もったいないなどと言われたのだからだ。
この世界も俺の知る緩い物語のように、魔物の素材が価値を持つらしい。
まあ、俺の知らない魔物だから転生元だった世界でも相当価値は出そうだが、最もアメリカさんの秘密の研究所などからだろうが。
今度は俺が船を操船して、戦外カメラなど使って、魔物に横付けした。
傍で見ると相当な大きさだ、10mはあろうかというウミヘビ??よりも太いが、ダイオウイカにサイズは近いかと思う。
悪臭も無いので、クレーンを使って後部デッキに引き上げた。
「守様。
すごいです。
これ、シーサーペントでも大きい方ですよ」
「これなら金貨取引になりますね」
え?
金貨だって。
そういえばこの世界に来てからお金には縁が無かったな。
尤も元の世界でも縁があったとは言えないが、それでもかれこれの日数を過ごしたが、お金を使う場面に全く合うことが無かった。
当たり前と言えば当たり前なのだが、完全に引きこもり生活をしている。
それでも、なんだかんだと人だけは増えているので、ボッチという訳ではないが、確かにこの世界で生きていくうえでお金の問題を解決しないとまずいか。
フランが商業中心の国の御姫様だということもあるので、フランに相談でもすれば商売くらいはできそうだが、まあ拠点を置く場所も見つけたこともあるので、そろそろ真剣に考えようか。
「守様。
これ、解体してもよろしいでしょうか」
「解体??
ああ、部位ごとに分けるのだよな」
「はい。
守様がなさりますか」
「悪いな、俺には無理だ。
魚だって捌けないのだから。
誰かで来そうなものは」
「私ができます……ですが……」
「どうした?」
「シーサーペントの解体は初めてなもので、上手にできるかどうか」
「ああ、それなら問題ない。
失敗しても構わないよ。
だって、俺にもできないことだし、何より誰にも初めてはあるのだろう。
それに、シーサーペントって狩るのが難しのだろう」
「ええ、A級冒険者のグループで狩るらしいのですが、無傷では難しいとか」
「無傷?
ああ、相手が海中に住むものならば地上生活の人間では相性が悪いからあるのだろうな。
それよりも珍しいのならば上手にさばける人なんか少数だろう。
だから、悪いが指揮を執ってみんなで解体してほしい」
「守様も参加しますか」
「悪いが俺は他にやることがある……と言っても記録を取るだけだが」
「記録ですか」
「ああ、俺も初めての魔物だ。
記録を残しておきたい」
「わかりました、任せてください」
そう、今更元の世界に戻れるとは思ってもいないが、このように未知の生物などとの遭遇ではどうしても記録を残しておきたくなる。
ということで、俺はカメラや三脚などを用意した。
船倉を探すと結構こういう細々したものが収まっている。
前に、ドローンを探した時に色々と見つけたのだ。
俺が記録用に色々と探して後部デッキに戻ると騎士たちは目の前にあるシーサーペントと格闘していた。
相当苦労しているようだ。
よくよく観察していると、あの固いと言われた外皮に阻まれているようだ。
「苦労しているようだ」
「あ、守様。
うろこが固くて、なかなか……」
「あ、それならいいものがある」
俺は騎士たちを連れてもう一度船倉に向かう。
ダメコンなどで使われる工具類を持ってきた。
中でもハンドグラインダーの説明を兼ねて俺が見本を見せる。
高速でグラインダーの刃物を回転させながら金属などを切断する工具だ。
「これは凄い」
「これ、なんですか、魔道具??」
「魔道具か、そう言えなくもないがまあそんなものだ。
それよりもこれ危ないから使うときにはこの手袋をつけてからな。
油断していると指など簡単に切れるからな」
俺は新品の手袋をみんなに手渡した。
ダメコン用に常備していただけあって数個のハンドグラインダーがあったので、みんな持ってきた。
その後は騎士たちは手分けをしながらシーサーペントを切り分けていく。
小さくなっていく肉類はビニール袋に入れて、冷凍倉庫にもっていく。
ここは作戦行動中に発生しうる仲間の待機場所だ。
当然、仲間を入れていく専用の袋もある。
昔は水葬などしたようなのだが、この船にはこのような場所があるのだ。
まあ、使われないことを前提としているので大きさはかなり小さめであるが、それでも効率的に詰めれば20くらいは入れることが出きる大きさだ。
定員60名の船で20名だ。
当然、そのようなことにでもなれば作戦行動などできないから逃げかえるだけなのだが、それくらいの被害までは考慮されている。
今回は、そこを使うことにした。
解体している騎士たちが言うのでは、シーサーペントの肉はかなりおいしいらしく高値で取引されているとか。
解体も終わろうかという頃になると俺の腰に差している携帯無線が音を出す。
島に置いてきたエルムか、船に向かったフランからだ。
「守だ。
どうした」
「守様。
フランです」
目の前にある船からだ。
「守様。
船の方ですが話が付きました」
どうもフランが先方地なにやら交渉していたようだ。
「どうなるのだ」
「はい、船は使えるようなのですが、マストなどに被害があり、どこかで修理をしないと使えないそうなのですが……」
「なにやら言い難そうだな。
何があるのだ」
「はい。この船は私の家の物でした。
先ほどのシーサーペントの戦いで被害もありましたし、何より祖国には帰れないので。
かと言って、守様の船にお乗せするには少し」
「人の数が多いのか」
「はい。
今回は男性も多くおりますし……」
そりゃそうだ。
普通、海上で何かあれば客船でもなければ女性と男性との比率は断然男性の方に軍配が上がる。
豪華客船に女子だけの団体客でも載せない限り女性が多くなる方がおかしいのだ。
そうなると現状の俺たちはかなり変な状況だな。
「なら、船を曳航して島まで戻ろう。
あの入江の無からな船の修理も容易かろう」
「え、この船を動かせるのですか」
「ああ、この船とロープを使ってつなげるが、多分、そのあたりの方法についてはそちらの船長辺りも詳しいのでは」
「わかりました聞いてみます」
11
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
男が少ない世界に転生して
美鈴
ファンタジー
※よりよいものにする為に改稿する事にしました!どうかお付き合い下さいますと幸いです!
旧稿版も一応残しておきますがあのままいくと当初のプロットよりも大幅におかしくなりましたのですいませんが宜しくお願いします!
交通事故に合い意識がどんどん遠くなっていく1人の男性。次に意識が戻った時は病院?前世の一部の記憶はあるが自分に関する事は全て忘れた男が転生したのは男女比が異なる世界。彼はどの様にこの世界で生きていくのだろうか?それはまだ誰も知らないお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる