プレアデスの伝説 姫たちの建国物語

のらしろ

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第三章 拠点

第45話 遭難船再び

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 そこから簡単に作戦を練った。
 と言っても、現在この船に乗っている16名のうち、6名をボートで送るだけのことだが、派遣組にフランとケリーを加えてあるので8名のメンバーとなった。

 騎士に一人とフランにそれぞれ携帯用の無線機を持たせて、使い方を説明する。 
 先ほどまで島の仮設基地との間でさんざん遊んでいたフランはすぐに使い方を完全にマスターしていた。

 俺のつたない説明の他にフランからの説明もあり騎士もすぐに使い方をマスターしたので、ボートを出して向こうの船に向かってもらった。
 後俺のやることと言えば、ドローンを飛ばしてフランたちの安全のための監視だけだ。

 さてさて俺のすることはというと、倒した魔物の調査だ。
 というのも、ケリーや他の騎士たちから、もったいないなどと言われたのだからだ。
 この世界も俺の知る緩い物語のように、魔物の素材が価値を持つらしい。
 まあ、俺の知らない魔物だから転生元だった世界でも相当価値は出そうだが、最もアメリカさんの秘密の研究所などからだろうが。
 
 今度は俺が船を操船して、戦外カメラなど使って、魔物に横付けした。

 傍で見ると相当な大きさだ、10mはあろうかというウミヘビ??よりも太いが、ダイオウイカにサイズは近いかと思う。
  悪臭も無いので、クレーンを使って後部デッキに引き上げた。

「守様。
 すごいです。
 これ、シーサーペントでも大きい方ですよ」

「これなら金貨取引になりますね」

 え?
 金貨だって。
 そういえばこの世界に来てからお金には縁が無かったな。

 尤も元の世界でも縁があったとは言えないが、それでもかれこれの日数を過ごしたが、お金を使う場面に全く合うことが無かった。

 当たり前と言えば当たり前なのだが、完全に引きこもり生活をしている。
 それでも、なんだかんだと人だけは増えているので、ボッチという訳ではないが、確かにこの世界で生きていくうえでお金の問題を解決しないとまずいか。

 フランが商業中心の国の御姫様だということもあるので、フランに相談でもすれば商売くらいはできそうだが、まあ拠点を置く場所も見つけたこともあるので、そろそろ真剣に考えようか。

「守様。
 これ、解体してもよろしいでしょうか」

「解体??
 ああ、部位ごとに分けるのだよな」

「はい。
 守様がなさりますか」

「悪いな、俺には無理だ。
 魚だって捌けないのだから。
 誰かで来そうなものは」

「私ができます……ですが……」

「どうした?」

「シーサーペントの解体は初めてなもので、上手にできるかどうか」

「ああ、それなら問題ない。
 失敗しても構わないよ。
 だって、俺にもできないことだし、何より誰にも初めてはあるのだろう。
 それに、シーサーペントって狩るのが難しのだろう」

「ええ、A級冒険者のグループで狩るらしいのですが、無傷では難しいとか」

「無傷?
 ああ、相手が海中に住むものならば地上生活の人間では相性が悪いからあるのだろうな。
 それよりも珍しいのならば上手にさばける人なんか少数だろう。
 だから、悪いが指揮を執ってみんなで解体してほしい」

「守様も参加しますか」

「悪いが俺は他にやることがある……と言っても記録を取るだけだが」

「記録ですか」

「ああ、俺も初めての魔物だ。
 記録を残しておきたい」

「わかりました、任せてください」

 そう、今更元の世界に戻れるとは思ってもいないが、このように未知の生物などとの遭遇ではどうしても記録を残しておきたくなる。
 ということで、俺はカメラや三脚などを用意した。
 船倉を探すと結構こういう細々したものが収まっている。
 前に、ドローンを探した時に色々と見つけたのだ。

 俺が記録用に色々と探して後部デッキに戻ると騎士たちは目の前にあるシーサーペントと格闘していた。
 相当苦労しているようだ。
 よくよく観察していると、あの固いと言われた外皮に阻まれているようだ。

「苦労しているようだ」

「あ、守様。
 うろこが固くて、なかなか……」

「あ、それならいいものがある」

 俺は騎士たちを連れてもう一度船倉に向かう。
 ダメコンなどで使われる工具類を持ってきた。
 中でもハンドグラインダーの説明を兼ねて俺が見本を見せる。
 高速でグラインダーの刃物を回転させながら金属などを切断する工具だ。
 
「これは凄い」

「これ、なんですか、魔道具??」

「魔道具か、そう言えなくもないがまあそんなものだ。
 それよりもこれ危ないから使うときにはこの手袋をつけてからな。
 油断していると指など簡単に切れるからな」

 俺は新品の手袋をみんなに手渡した。
 ダメコン用に常備していただけあって数個のハンドグラインダーがあったので、みんな持ってきた。

 その後は騎士たちは手分けをしながらシーサーペントを切り分けていく。
 小さくなっていく肉類はビニール袋に入れて、冷凍倉庫にもっていく。

 ここは作戦行動中に発生しうる仲間の待機場所だ。
 当然、仲間を入れていく専用の袋もある。
 昔は水葬などしたようなのだが、この船にはこのような場所があるのだ。

 まあ、使われないことを前提としているので大きさはかなり小さめであるが、それでも効率的に詰めれば20くらいは入れることが出きる大きさだ。

 定員60名の船で20名だ。
 当然、そのようなことにでもなれば作戦行動などできないから逃げかえるだけなのだが、それくらいの被害までは考慮されている。

 今回は、そこを使うことにした。
 解体している騎士たちが言うのでは、シーサーペントの肉はかなりおいしいらしく高値で取引されているとか。

 解体も終わろうかという頃になると俺の腰に差している携帯無線が音を出す。
 島に置いてきたエルムか、船に向かったフランからだ。

「守だ。 
 どうした」

「守様。
 フランです」

 目の前にある船からだ。

「守様。
 船の方ですが話が付きました」

 どうもフランが先方地なにやら交渉していたようだ。

「どうなるのだ」

「はい、船は使えるようなのですが、マストなどに被害があり、どこかで修理をしないと使えないそうなのですが……」

「なにやら言い難そうだな。
 何があるのだ」

「はい。この船は私の家の物でした。
 先ほどのシーサーペントの戦いで被害もありましたし、何より祖国には帰れないので。
 かと言って、守様の船にお乗せするには少し」

「人の数が多いのか」

「はい。
 今回は男性も多くおりますし……」

 そりゃそうだ。
 普通、海上で何かあれば客船でもなければ女性と男性との比率は断然男性の方に軍配が上がる。
 豪華客船に女子だけの団体客でも載せない限り女性が多くなる方がおかしいのだ。
 そうなると現状の俺たちはかなり変な状況だな。

「なら、船を曳航して島まで戻ろう。
 あの入江の無からな船の修理も容易かろう」

「え、この船を動かせるのですか」

「ああ、この船とロープを使ってつなげるが、多分、そのあたりの方法についてはそちらの船長辺りも詳しいのでは」

「わかりました聞いてみます」
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