プレアデスの伝説 姫たちの建国物語

のらしろ

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第五章 プレアデス領国

第89話 プレアデス領国

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 簡単に話し合いのメンバーが決まった。
 次に何を話し合うかということだが、正直俺は考えていなかった。
 適当にみんなで話し合えば、とにかくどうにかなるか程度しか俺には認識がなかったが、フランがとんでもないことを言い始めた。

「次に、私達の国号を決めましょうか」

「「「ああ、そうだな」」」

「「異議なし」」

 え? 何これ?
 建国の宣言は無しだと先程言ったよね。

「ちょっと待とうか、フラン。
 建国はまだ早いと思うのだが、国号って建国に事だろう」

「いえ、建国はそれなりの格を保たせる必要がありますので、儀式の準備に時間がかかります」

「だから、その儀式もまだいいよ。
 他の話題がないのか」

「ですが、守様。
 既に、私の居た国の植民都市に守様のことが伝わっていると考えたほうがよろしいかと」

「そうですね、フラン様の言われるように、次にそこからの者が来た時に私達のことをどのように説明すればよろしいのでしょうか」

「冒険者だって集まりには名前がありますし、フラン殿やケリー殿の言われるように私達の名前は必要です」

「守王国などいかがでしょうか」

「使徒様の名前を使うのは不敬に当たるような気がしますが」

「使徒聖国では」

 ガヤガヤとみんなは嬉しそうに話し始めた。
 聞こえてくる言葉に、やたらと物騒というか嬉しくない物があるというか、それしか無い。
 正直そろそろ口を挟まないととんでもないことになりそうだったので、俺が皆を鎮めてから提案してみた。

「ちょっと聞いてほしい。
 国号とかは物騒だが、確かに俺達の集まりを表す言葉がないのは不都合なのは判った。
 そこで提案させてほしい。
 そもそもが、俺達の集まりはプレアデスの伝説から始まったようなものなのだろう。
 ならその『プレアデス』の言葉を頂こうじゃないか」

「守様、でしたら『プレアデス王国』はいかがでしょうか」

「いや、それなら『プレアデス使徒国』何かのほうが私達に最も適していると思います」

 また、話が大きくなっていく。
 もう一度話に加わりそろそろ決着をさせたい。

「少し聞きたいのだが、この世界では王国だけでなく他の国号もあるのだろう。
 それなら王国以外で何があるのか教えてほしい。
 できれば小国などで使われているようなものを」

「そうですね。
 小国でしたら公国というのがありますか」

「宗教がらみにはなりますが『教国』というのもあります」

「ですが、その『教国』は小国ではなく、しかも私達の国を滅ぼした手国の一つであるのでふさわしくないような気がしますが」

「なら、先程どなたかの話で出た『使徒国』という言葉を使えば良いのでは。
 もともと守様は使徒様でもありますし」

 流石に『使徒国』だけは勘弁だな。
 『公国』もなんだか偉そうな気がするし、そもそも公国って公爵あたりが元首に居たような国だったはずだ。
 令和の時代でもヨーロッパあたりにあったような気がするし、それも嫌だし……あ、閃いた。

「良し、とりあえずの呼び名だ。
 なら『プレアデス領国』はどうだろうか。
 俺達の領地になるのだし、これならばどこからも誤解は出ないだろう」

「『領国』ですか……なんだか少し地味なような」

「フラン様、ですが守様のご希望ですし、確かにこれならば今の私達にぴったりともいえます」

「そうですよ、ダーナ様のお言われる通り今の私達にですが。
 私達の国が大きくなれば当然守様もご決心してくださいますしね、そうですよね守様」

 結局、皆の圧力に負けて今のところは『プレアデス領国』で落ち着いてくれたが、いずれ国が大きく発展すれば国号の改名することも約束させられた。
 この場合、王国あたりで済ましてもらえるかは今の勢いからは甚だ不明ではある。
 『帝国』あたりにでも落ち着いてくれれば良いが『神国』や『使徒国』あたりになりそうでちょっと怖い。
 幸い、『教国』だけはここに居る皆からは聞こえてこない。
 既に『教国』を名乗る国があり、そこの評判はここに居る皆からはすこぶる悪く、『教国』だけは絶対に嫌だって感じだ。
 できれば他の呼び名もそうあってほしいが、どうもそれだけはなりそうもないか。
 まあ、いずれの話だ。
 今は呼び名が決まったので良しとした。

 そこから、この地での運営についての話し合いが行われた。
 現状の確認にはなるが、今のところは全てフェリーからの持ち出しでどうにかなっている面がある。
 食料関係が特にそうだ。
 尤も、食料以外では怪我や病気の治療で使う薬くらいで、それ以外では家などはバラックではあるが、どうにかなってきている。

 ここに定住することを決めた時にはテント暮らしがスタンダードで、俺達一部だけがフェリーで快適に暮らすのに少しばかり罪悪感もあったくらいだ。

 フランたちは、使徒様なのだから当たり前だと一切気にもしていなかったが、俺はできる限りそういう人達を見ないように外での仕事をしていたくらいだ。
 その定住先も今では2箇所あり、その二箇所ともまともな家が作られているとか。

 俺から供給している工具類が大活躍しているようで、木造建築の家がどんどんできている。
 また、その二箇所を結ぶ道もすっかり整備が進んでいる。
 俺が偶々知っていた道路整備方法をドワーフたちに教えたところ、かなり気に入ったのか、その方法で道を作っている。
 ブルなどの嫌気類も大活躍で、今では島中央に向け調査拠点を置いた場所までの道路建設にも着手し始めたようだ。

 今では、その中継拠点から天使族が暮らす村までどうするかを話し合っている。

「守様。
 私達の村まで道を通してくださると」

「ああ、でないと行き来に苦労するしな」

「既に獣道程度だが、あの拠点まではつながっているから車は走らせることができそうですが」

「ダーナが今言った通り、あそこまでは少なくとも道を整備してまいりますが、天使族の皆さんは、今後いかがしますか」

「今後?」

「ええ、先程サーシャ様がおっしゃられたように、プレアデスの姫として守様にお使いされるのならば、少なくともアリエル様はこちらでお暮らしになられますよね」

「アリエル様お一人二というわけにもいかないでしょう」

「ダーナさんが言う通り、誰かお連れになれる方だけでしたら、ここにお住いになることは構いませんが、村の皆様全員とは行きませんので」
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