31 / 38
31.諜報のプロによる荒事
しおりを挟む
「応援が間もなくつきますので、応援が付き次第乗り込みます」
「応援?」
「ええ、大使館には駐在武官というのがおりますが、それをカバーとして少なくない数の諜報員も駐在しております」
俺にそんな秘密をばらしてもいいのかと少し心配になったのだが、今更か。
その諜報員に応援を頼んだらしい。
また、東京の自宅では外事課を通して警察にも出動を依頼しているそうだ。
ただ、どうもこの屋敷は日本の政権与党のお偉いさんが所有しているらしく証拠がない限り警察も動けないらしい。
なぜ、政権与党のお偉いさんが産油国相手に喧嘩を売るのかよくわからないが、それよりも政治家が誘拐なんかにかかわるのなんてスキャンダル以前の話だ。
ありえないだろうと思うが、GPSはここから発信されている。
それも一つではなく、持たせたものすべてが同じ屋敷から発信されている。
ここまで近づくとより詳細に場所までわかるらしく、いくつかは見える位置に止めてある車から発信されているという。
望遠鏡などで調べても車の中には誰もいないので、持ち物が置き捨てられているのだろうといことで屋敷に突入することで計画を練っている。
待っていた応援が静かに俺たちに近づいてきた。
指揮を執っているキャシーさんが計画の確認をしている。
「5分後に乗り込みます。
三方向から突入しますので、本郷様はいかがしますか」
「俺は制圧後すぐに中に入る。
正面からはいる方がいいかな」
「でしたらアプリコットを残しますので、一緒に」
「ああ、わかった。
悪いな、余計な手間をかけさせて」
「いえ、そろそろ時間ですので配置につきます」
彼女はそういうとどこかに消えていった。
アプリコットさんが心配そうにしている俺に声をかけてきた。
「本郷様、大丈夫です。
こういうことは初めてでないので、ましてや多少の心得があったにしても訓練を積んている連中でもない限り、何ら問題はありません。
お嬢様につきましても、さらわれてから時間がたっておりませんので、乱暴の可能性も低いでしょう」
俺を気遣っての声掛けだろうが、『初めてでない』という言葉に少し引いてしまった。
そうこうしているうちに配置が済んだようで、アプリコットさんに短く合図が入る。
「始まります」
アプリコットのこの言葉と同時に窓を割られる音がしたかと思ったら、大きな爆発音とともに強い光が漏れてきた。
「近くまで行きましょうか」
俺はアプリコットさんに連れられて敷地内に入ると、屋敷中化からうめき声の他にどたばたとする雑音が聞こえてくる。
今まで清閑な別荘地にひときわ目立つ音だ。
「通報されるな」
「ええ、窓を割った段階で警備会社には連絡が入っているでしょうから30分以内に駆けつけてくるでしょう」
「30分」
「大丈夫です、後数分で制圧済の連絡が入るでしょう。
銃声もしませんでしたし、今の段階でほぼ制圧できたと思いますよ。
……
ほら、言っているそばから制圧が済んだと連絡が入りました。」」玄関を開けてくれるようなので私たちは玄関から入りましょう」
途中俺たちが追いかけてきた車もあったので、簡単に中をのぞく。
中には誰も、いや、何も残っていない。
トランクに何かあるかもしれないが、今は幸の方が心配だ。
玄関から屋敷に入りすぐそばにあるリビングに向かうとむさくるしい男どもが後ろ手をされて黒がされている。
何人かはうめき声をあげている。
ソファーには全裸でぐったりしている女性が二人も倒れていた。
正直吐き気がしてきた。
こいつら下種だな。
ここが日本でなければ俺はこいつらを殺していたかもしれない。
すると奥から声がかかる。
「お嬢様、ご友人とともに発見。
他女性一人も保護」
俺は声のかかる方向にアプリコットさんとともに向かうと、奥のベッドルームに幸とあかねがベッドに学校の制服のまま転がされていた。
「大丈夫か?」
「ええ、大丈夫です。
まだなにもされていませんから」
「あかねは?」
「……」
あかねは青い顔をして震えている。
「あかねも大丈夫。
私とずっと一緒にいたから」
「通報されているだろうからすぐに引き上げようか」
「彼女は?」
アプリコットさんとともにいた知らない外国人、多分少し前に聞いた応援できている情報部の連中だろうが、半裸の状態で意識がもうろうとしている女性について聞いてきた。
何を思ったのか俺はすぐに「一緒に連れて帰る」といってしまった。
半裸で意識がもうろうとしている段階で薬を疑う必要があるのだろうが、そんなことにも考えが及ばずに俺は連れて帰る決断をしていた。
絶対に厄介事案件なのに、そんなことを一切考えていなかった。
もう一度リビングに戻ると、前に見たことのあるやくざが転がされており、その横で下半身を丸出しにしている大学生くらいの偉そうな男と、同じように上半身はスーツ姿なのにズボンを下げて気を失っている男がいた。
『こいつらが犯人か』
「警察と救急を呼びました。
直に警備会社の人と警察関係者がここに来ます。
急いでください」
「応援?」
「ええ、大使館には駐在武官というのがおりますが、それをカバーとして少なくない数の諜報員も駐在しております」
俺にそんな秘密をばらしてもいいのかと少し心配になったのだが、今更か。
その諜報員に応援を頼んだらしい。
また、東京の自宅では外事課を通して警察にも出動を依頼しているそうだ。
ただ、どうもこの屋敷は日本の政権与党のお偉いさんが所有しているらしく証拠がない限り警察も動けないらしい。
なぜ、政権与党のお偉いさんが産油国相手に喧嘩を売るのかよくわからないが、それよりも政治家が誘拐なんかにかかわるのなんてスキャンダル以前の話だ。
ありえないだろうと思うが、GPSはここから発信されている。
それも一つではなく、持たせたものすべてが同じ屋敷から発信されている。
ここまで近づくとより詳細に場所までわかるらしく、いくつかは見える位置に止めてある車から発信されているという。
望遠鏡などで調べても車の中には誰もいないので、持ち物が置き捨てられているのだろうといことで屋敷に突入することで計画を練っている。
待っていた応援が静かに俺たちに近づいてきた。
指揮を執っているキャシーさんが計画の確認をしている。
「5分後に乗り込みます。
三方向から突入しますので、本郷様はいかがしますか」
「俺は制圧後すぐに中に入る。
正面からはいる方がいいかな」
「でしたらアプリコットを残しますので、一緒に」
「ああ、わかった。
悪いな、余計な手間をかけさせて」
「いえ、そろそろ時間ですので配置につきます」
彼女はそういうとどこかに消えていった。
アプリコットさんが心配そうにしている俺に声をかけてきた。
「本郷様、大丈夫です。
こういうことは初めてでないので、ましてや多少の心得があったにしても訓練を積んている連中でもない限り、何ら問題はありません。
お嬢様につきましても、さらわれてから時間がたっておりませんので、乱暴の可能性も低いでしょう」
俺を気遣っての声掛けだろうが、『初めてでない』という言葉に少し引いてしまった。
そうこうしているうちに配置が済んだようで、アプリコットさんに短く合図が入る。
「始まります」
アプリコットのこの言葉と同時に窓を割られる音がしたかと思ったら、大きな爆発音とともに強い光が漏れてきた。
「近くまで行きましょうか」
俺はアプリコットさんに連れられて敷地内に入ると、屋敷中化からうめき声の他にどたばたとする雑音が聞こえてくる。
今まで清閑な別荘地にひときわ目立つ音だ。
「通報されるな」
「ええ、窓を割った段階で警備会社には連絡が入っているでしょうから30分以内に駆けつけてくるでしょう」
「30分」
「大丈夫です、後数分で制圧済の連絡が入るでしょう。
銃声もしませんでしたし、今の段階でほぼ制圧できたと思いますよ。
……
ほら、言っているそばから制圧が済んだと連絡が入りました。」」玄関を開けてくれるようなので私たちは玄関から入りましょう」
途中俺たちが追いかけてきた車もあったので、簡単に中をのぞく。
中には誰も、いや、何も残っていない。
トランクに何かあるかもしれないが、今は幸の方が心配だ。
玄関から屋敷に入りすぐそばにあるリビングに向かうとむさくるしい男どもが後ろ手をされて黒がされている。
何人かはうめき声をあげている。
ソファーには全裸でぐったりしている女性が二人も倒れていた。
正直吐き気がしてきた。
こいつら下種だな。
ここが日本でなければ俺はこいつらを殺していたかもしれない。
すると奥から声がかかる。
「お嬢様、ご友人とともに発見。
他女性一人も保護」
俺は声のかかる方向にアプリコットさんとともに向かうと、奥のベッドルームに幸とあかねがベッドに学校の制服のまま転がされていた。
「大丈夫か?」
「ええ、大丈夫です。
まだなにもされていませんから」
「あかねは?」
「……」
あかねは青い顔をして震えている。
「あかねも大丈夫。
私とずっと一緒にいたから」
「通報されているだろうからすぐに引き上げようか」
「彼女は?」
アプリコットさんとともにいた知らない外国人、多分少し前に聞いた応援できている情報部の連中だろうが、半裸の状態で意識がもうろうとしている女性について聞いてきた。
何を思ったのか俺はすぐに「一緒に連れて帰る」といってしまった。
半裸で意識がもうろうとしている段階で薬を疑う必要があるのだろうが、そんなことにも考えが及ばずに俺は連れて帰る決断をしていた。
絶対に厄介事案件なのに、そんなことを一切考えていなかった。
もう一度リビングに戻ると、前に見たことのあるやくざが転がされており、その横で下半身を丸出しにしている大学生くらいの偉そうな男と、同じように上半身はスーツ姿なのにズボンを下げて気を失っている男がいた。
『こいつらが犯人か』
「警察と救急を呼びました。
直に警備会社の人と警察関係者がここに来ます。
急いでください」
1
あなたにおすすめの小説
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
鷹鷲高校執事科
三石成
青春
経済社会が崩壊した後に、貴族制度が生まれた近未来。
東京都内に広大な敷地を持つ全寮制の鷹鷲高校には、貴族の子息が所属する帝王科と、そんな貴族に仕える、優秀な執事を育成するための執事科が設立されている。
物語の中心となるのは、鷹鷲高校男子部の三年生。
各々に悩みや望みを抱えた彼らは、高校三年生という貴重な一年間で、学校の行事や事件を通して、生涯の主人と執事を見つけていく。
表紙イラスト:燈実 黙(@off_the_lamp)
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
**2026.01.02start~2026.01.17end**
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる