16 / 17
第十六話 ダンジョンを出た三人は同じ言葉を叫ぶって本当ですか?
しおりを挟む
「なんなの、これは!?」
開け放たれて全て空になってる檻を見たコマチは驚きの声を上げる。
「ああ、ソリエ、ミズホ様! この檻で最後ですので少し待ってくださいね」
縦に三つに積まれた檻の一番上に器用に登り、鍵を開けていた猫耳猫尻尾の胸の大きな獣人が三人に声をかけてくる。
「何者ですか? あの獣人は。檻に入っていた実験動物ではないのですか?」
「姫様! 彼女は獣人ですが、姫様を助けに来た私たちの仲間です! 決して実験動物なんかではありません!!」
それまでコマチに敬意を持って話していたソリエが声を荒げたため、その小さな姫は体をびくりと震わせた。
「ご、ごめんなさい。わたくし、そんなつもりでは……」
ミズホの肩の上で思わず、謝罪の言葉を口にする。
「どうかしましたか?」
最後の檻の鍵を開けたクロフェはしなやかに降りて来た。
「コマチ姫が見つかったわよ。姫様、こっちは私たちの仲間のクロフェです」
「クロフェさん、こんな格好で申し訳ありませんが、救出感謝します」
「姫様、ご無事でよかった。さあ、みんなで街に帰りましょう」
クロフェは大きな黒い瞳をキラキラさせていた。
ミズホの肩の上でクロフェの胸を見てコマチはつぶやいた。
「……チッ、やっぱり胸が大きい方がいいのか」
「何か言いましたか?」
「いえ、そこの壁に色の違う石があるでしょう。それを押してみてください」
言われた通り押すと、ミズホ達がいるところの床に魔法陣が浮かび上がってきた。
クロフェも慌てて魔法陣の中に入りソリエの手を取ると、ミズホはその魔法陣に描かれている術式を読み取った。
「我がマナにて我らを外へ運べ」
ミズホの詠唱に応じて魔法陣が光り始め、四人を眩い光が包む。光の渦に目を閉じたクロフェは繋いだ手を強く握りしめる。まぶた越しでもわかる光は、幾ばくかの時間の後に収まった。
クロフェはほんのり暖かな風を頬に受け、目を恐る恐る開ける。
ダンジョンとは違う太陽の明るい自然な光が久しぶりにクロフェの瞳に差し込む。
森の、木の匂いが鼻腔をつく。
人が十人は乗れそうな石畳が土に埋め込めら、草で偽装されている。そこには魔法陣が浮かんでいたが、しばらくすると消えてしまった。
ダンジョン最奥への隠し転移魔法陣は高い木々に囲まれて周りから隠されていた。
つないだ手の先に緑の長いウエーブのかかった髪、ほんのり丸い顔の女性はピンクのタレ目でニッコリとクロフェを見つめていた。
その向こうには美しい女性のような顔のミズホが幼い体のコマチを肩に抱えて立っていた。
みんなでダンジョンから無事に脱出できたのだ。
新緑まぶしい山の中でクロフェはホッとしていると、遠くに人の声が聞こえて来る。
「ミズホ様、あちらから人の声が聞こえます。行ってみましょう」
声の方へ少し歩くと開けた崖に出た。
崖下をみると人が数十人規模で集まっていた。
お揃いの金属の鎧を付け、剣や槍で装備した正規の軍隊のようだ。
「ミズホ様、姫様、あそこはダンジョンの入口ですよ」
「ああ、ミフユ姫がいる!」
コマチが指を差した先には全身を金属の鎧に包まれ、青い長い髪を三つ編みにした、きりりとした女性が兜を脇に抱え、指揮を取っているように見える。
「あそこに連れて行ってください。隣街のリネコ家の姫が助けに来てくれています」
「ミズホ様、下に降りる道を探しましょう」
ミズホはコマチをかかえたまま下を見る。
「このまま降りる。捕まって」
「へ!?」
「降りるって?」
「まさか!」
ミズホはそのまま崖の方へ歩いて行く。
「ちょっと待ってください」
クロフェは右からミズホに抱きつく。
「置いていかないでください」
ソリエは左からミズホに抱きつく。
「我の契約においてアネモイ来たりて風の加護を与え給え」
ミズホは風の上位精霊を呼び出し、何もない空間に足を踏み出した四人は風に包まれゆっくりと落下する。
ふんわりと空中を漂うよう降下する。
軍隊の一人がこちらに気がついたようで、指を差すとそれに呼応して次々とクロフェたちを見上げる。
姫騎士らしいミフユも気がついた。
「ミフユ姫~。わたくしたちが降りるところを空けてくださ~い」
その声に答えて背の高い、姫騎士は周りに指示を出し、降りられる空間を開ける。
風巻く四人は砂や小石を巻き上げながら地上に降り立った。
ミズホはコマチを下ろすとコマチはミフユのもとへ駆け寄る。
ミフユも駆け寄り二人は固く抱き合った。
長身の男性のようにきりりとしたミフユと小さな少女のコマチが抱き合うとまるで恋人同士が抱き合っているようだ。
「コマチ姫、あの人たちは?」
「誘拐犯を倒して、わたくしを助けてくれた人たちですわ」
少し離れたところからミフユは三人を見る。
落ち着いてコマチたちを見ているソリエと正反対に大勢に囲まれてオロオロとしているクロフェ。興味がないように空を見上げているミズホがいた。
「あの人は!?」
ミフユはミズホに近づき、それをコマチが追いかける。
「ミフユ姫、この方はわたくしを助けた褒美に、わたくしの夫にしてあげようと思っておりますのよ」
「え! 夫って!? ミズホ様はあたしの恋人になるんです!」
「何を勝手に決めているのですか? ミズホ様は私のご主人様になるんですよ!」
コマチの言葉にクロフェとソリエが同時に抗議の声を上げる。
「やはり、ミズホ様! ミズホ・モリタ。伝説の魔法剣士、カズヨシ・モリタの養子にして唯一の弟子! あなたたち好き勝手に言ってるけど、この人がどういった人が分かって言ってるの!?」
ミフユはコマチと同じ赤い瞳を大きく開いて三人に問いかける。
「ミフユ姫はこの人を知っていますの?」
「半年ほど前にこの方は私たちの領土にも現れて、その当時に頭を悩ませていた山賊団を壊滅してくれたのよ。その姿に私もあなたたちと同じように、私のお姉様になってもらうようにお願いしたの」
ミフユ姫は苦い思い出を語るように渋い顔をしていた。
「ミフユ姫、ちょっとまって、この方は男でしょう。確かにこの美貌から女性と間違えてもおかしくはないですが」
「ええ、それは私の間違いだったのよ。でもそれはいいの。それより、この人は何のために世界を回っているかあなたたちは知っているの?」
「武芸の腕を上げるために、強い人と戦う旅に出ているのでしょう」
クロフェは何を当たり前のことを聞いているのだろうと、答えた。
「はぁ~、あなたたちもそう思うでしょう。違うのよ。この人は自分より強い人に無理やり犯されたいのよ。師匠のカズヨシにされていたように」
呆れたように言うミフユ姫を三人は口をあんぐりと開けて見ていた。
「嘘でしょう! ミズホ様、ミフユ姫の言っていることは本当ですか?」
クロフェの言葉にミズホは黙って頷く。
三人は膝から崩れ落ち、同時に空に向かって叫ぶ。
「なんじゃ! そりゃ~!」
~ 完 ~
開け放たれて全て空になってる檻を見たコマチは驚きの声を上げる。
「ああ、ソリエ、ミズホ様! この檻で最後ですので少し待ってくださいね」
縦に三つに積まれた檻の一番上に器用に登り、鍵を開けていた猫耳猫尻尾の胸の大きな獣人が三人に声をかけてくる。
「何者ですか? あの獣人は。檻に入っていた実験動物ではないのですか?」
「姫様! 彼女は獣人ですが、姫様を助けに来た私たちの仲間です! 決して実験動物なんかではありません!!」
それまでコマチに敬意を持って話していたソリエが声を荒げたため、その小さな姫は体をびくりと震わせた。
「ご、ごめんなさい。わたくし、そんなつもりでは……」
ミズホの肩の上で思わず、謝罪の言葉を口にする。
「どうかしましたか?」
最後の檻の鍵を開けたクロフェはしなやかに降りて来た。
「コマチ姫が見つかったわよ。姫様、こっちは私たちの仲間のクロフェです」
「クロフェさん、こんな格好で申し訳ありませんが、救出感謝します」
「姫様、ご無事でよかった。さあ、みんなで街に帰りましょう」
クロフェは大きな黒い瞳をキラキラさせていた。
ミズホの肩の上でクロフェの胸を見てコマチはつぶやいた。
「……チッ、やっぱり胸が大きい方がいいのか」
「何か言いましたか?」
「いえ、そこの壁に色の違う石があるでしょう。それを押してみてください」
言われた通り押すと、ミズホ達がいるところの床に魔法陣が浮かび上がってきた。
クロフェも慌てて魔法陣の中に入りソリエの手を取ると、ミズホはその魔法陣に描かれている術式を読み取った。
「我がマナにて我らを外へ運べ」
ミズホの詠唱に応じて魔法陣が光り始め、四人を眩い光が包む。光の渦に目を閉じたクロフェは繋いだ手を強く握りしめる。まぶた越しでもわかる光は、幾ばくかの時間の後に収まった。
クロフェはほんのり暖かな風を頬に受け、目を恐る恐る開ける。
ダンジョンとは違う太陽の明るい自然な光が久しぶりにクロフェの瞳に差し込む。
森の、木の匂いが鼻腔をつく。
人が十人は乗れそうな石畳が土に埋め込めら、草で偽装されている。そこには魔法陣が浮かんでいたが、しばらくすると消えてしまった。
ダンジョン最奥への隠し転移魔法陣は高い木々に囲まれて周りから隠されていた。
つないだ手の先に緑の長いウエーブのかかった髪、ほんのり丸い顔の女性はピンクのタレ目でニッコリとクロフェを見つめていた。
その向こうには美しい女性のような顔のミズホが幼い体のコマチを肩に抱えて立っていた。
みんなでダンジョンから無事に脱出できたのだ。
新緑まぶしい山の中でクロフェはホッとしていると、遠くに人の声が聞こえて来る。
「ミズホ様、あちらから人の声が聞こえます。行ってみましょう」
声の方へ少し歩くと開けた崖に出た。
崖下をみると人が数十人規模で集まっていた。
お揃いの金属の鎧を付け、剣や槍で装備した正規の軍隊のようだ。
「ミズホ様、姫様、あそこはダンジョンの入口ですよ」
「ああ、ミフユ姫がいる!」
コマチが指を差した先には全身を金属の鎧に包まれ、青い長い髪を三つ編みにした、きりりとした女性が兜を脇に抱え、指揮を取っているように見える。
「あそこに連れて行ってください。隣街のリネコ家の姫が助けに来てくれています」
「ミズホ様、下に降りる道を探しましょう」
ミズホはコマチをかかえたまま下を見る。
「このまま降りる。捕まって」
「へ!?」
「降りるって?」
「まさか!」
ミズホはそのまま崖の方へ歩いて行く。
「ちょっと待ってください」
クロフェは右からミズホに抱きつく。
「置いていかないでください」
ソリエは左からミズホに抱きつく。
「我の契約においてアネモイ来たりて風の加護を与え給え」
ミズホは風の上位精霊を呼び出し、何もない空間に足を踏み出した四人は風に包まれゆっくりと落下する。
ふんわりと空中を漂うよう降下する。
軍隊の一人がこちらに気がついたようで、指を差すとそれに呼応して次々とクロフェたちを見上げる。
姫騎士らしいミフユも気がついた。
「ミフユ姫~。わたくしたちが降りるところを空けてくださ~い」
その声に答えて背の高い、姫騎士は周りに指示を出し、降りられる空間を開ける。
風巻く四人は砂や小石を巻き上げながら地上に降り立った。
ミズホはコマチを下ろすとコマチはミフユのもとへ駆け寄る。
ミフユも駆け寄り二人は固く抱き合った。
長身の男性のようにきりりとしたミフユと小さな少女のコマチが抱き合うとまるで恋人同士が抱き合っているようだ。
「コマチ姫、あの人たちは?」
「誘拐犯を倒して、わたくしを助けてくれた人たちですわ」
少し離れたところからミフユは三人を見る。
落ち着いてコマチたちを見ているソリエと正反対に大勢に囲まれてオロオロとしているクロフェ。興味がないように空を見上げているミズホがいた。
「あの人は!?」
ミフユはミズホに近づき、それをコマチが追いかける。
「ミフユ姫、この方はわたくしを助けた褒美に、わたくしの夫にしてあげようと思っておりますのよ」
「え! 夫って!? ミズホ様はあたしの恋人になるんです!」
「何を勝手に決めているのですか? ミズホ様は私のご主人様になるんですよ!」
コマチの言葉にクロフェとソリエが同時に抗議の声を上げる。
「やはり、ミズホ様! ミズホ・モリタ。伝説の魔法剣士、カズヨシ・モリタの養子にして唯一の弟子! あなたたち好き勝手に言ってるけど、この人がどういった人が分かって言ってるの!?」
ミフユはコマチと同じ赤い瞳を大きく開いて三人に問いかける。
「ミフユ姫はこの人を知っていますの?」
「半年ほど前にこの方は私たちの領土にも現れて、その当時に頭を悩ませていた山賊団を壊滅してくれたのよ。その姿に私もあなたたちと同じように、私のお姉様になってもらうようにお願いしたの」
ミフユ姫は苦い思い出を語るように渋い顔をしていた。
「ミフユ姫、ちょっとまって、この方は男でしょう。確かにこの美貌から女性と間違えてもおかしくはないですが」
「ええ、それは私の間違いだったのよ。でもそれはいいの。それより、この人は何のために世界を回っているかあなたたちは知っているの?」
「武芸の腕を上げるために、強い人と戦う旅に出ているのでしょう」
クロフェは何を当たり前のことを聞いているのだろうと、答えた。
「はぁ~、あなたたちもそう思うでしょう。違うのよ。この人は自分より強い人に無理やり犯されたいのよ。師匠のカズヨシにされていたように」
呆れたように言うミフユ姫を三人は口をあんぐりと開けて見ていた。
「嘘でしょう! ミズホ様、ミフユ姫の言っていることは本当ですか?」
クロフェの言葉にミズホは黙って頷く。
三人は膝から崩れ落ち、同時に空に向かって叫ぶ。
「なんじゃ! そりゃ~!」
~ 完 ~
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
転生先はご近所さん?
フロイライン
ファンタジー
大学受験に失敗し、カノジョにフラれた俺は、ある事故に巻き込まれて死んでしまうが…
そんな俺に同情した神様が俺を転生させ、やり直すチャンスをくれた。
でも、並行世界で人々を救うつもりだった俺が転生した先は、近所に住む新婚の伊藤さんだった。
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる