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はじまり
しおりを挟む私は、めっちゃかわいい。
「凛ちゃん、今日の飲み会来れる~?」
「ごめん無理。今日は伊藤くんとごはん行く予定~」
「えー、伊藤くんってあの年下の子でしょ?今日の飲み、◯◯企業の人たちなんだけど。凛ちゃん連れて来いって頼まれたんだけど~」
ゆえに、めっちゃモテる。
「あの人らすごいグイグイ口説いてくるんだよね。流し辛くてめんどくさい」
「流さないでいけばいーじゃん」
「とりあえずヤッてからキープしてそのうち本命になるかどうかみたいなの相手にしたくない」
「それってまんま凛ちゃんの男版じゃん。同族嫌悪?」
「しつれーな。私とりあえずヤッたりしてないじゃん。めっちゃ吟味してるし、セフレいる間他の男とやんないもん」
「でも彼氏にはしないでしょ。キープでしょ」
「彼氏にするほど好きじゃない」
「凛ちゃんさー、いつから彼氏居ないの?恋愛する気ないの?」
「えー、3年くらい?恋愛はしたいけど彼氏まだいらなーい。伊藤くんがもう1~2年今の感じだったら付き合うのもアリかなってくらい」
「そこまで引っ張るの?釣った魚にエサやんないタイプだったらどうすんの」
「私にエサくれないとかありえない。その時点で捨てる」
「えぇ、なんかこう…もうちょっと愛を育もう的なのはないの?」
私、愛を育むより私のために愛を育ててくれる男のがタイプ。
「凛ちゃんずっとこうなの?いつまでそれでいくのー?相手されなくなってからじゃ遅いよ、悪いこと言わないから選び放題の今のうちに彼氏作って結婚しときなよ」
「うちのママまだめっちゃモテるよ。パパ死んでからかなりたってからだけど彼氏途切れたことないし。結婚はする気はないみたいだけど。だから私もおばーちゃんくらいまでいけるはず」
「親子揃って姫……」
彼氏作らないってめっちゃ誠実じゃない?浮気だってした事ないもん。
「セフレ一人だと誠実になるの?凛ちゃんの感覚よくわかんないわ。なんでそんな彼氏までのハードル高いのー、適当に付き合ってやだったらすぐ別れればいいじゃん」
「私口説かれる数半端ないんだよね、なんか友達~とか言って集まりに連れてくるから勝手にガンガン増えてくし。次から次に口説いてくるから適当に選んだら収拾つかなくなりそー」
「モテる女も大変ねー。じゃなんでセフレとは付き合わないの?」
「チヤホヤしてくる中で本気なのとか少ないけどねー。セフレは彼氏候補ではあるんだけどー、お前が居ないと生きてけない!ってくらい愛してくれるようになったらかな。私がこの世の全てってくらいの人がいい。そんくらいになって初めて私の気持ちがちょっと好きから大好きになる」
「おもっ!ちょっと待って、元カレ何人?そんなのがいっぱいいたらこわい!てか凛ちゃんメンヘラ?!」
「二人。でも初カレは中学校の頃にはやく18になって結婚したいとかゆーだけのやつだったし、実質重いのは一人?重いの歓迎だけど、私はどうかなー。あくまでも自主的に重くなって欲しいから束縛とかしないし、重くなくなった時点で捨てるだけ。これもメンヘラかなー?」
「や、一人目も十分重いでしょ!メンヘラは分かんないなー、あなたと別れるくらいなら死んでやる!ってイメージだけどそれだと凛ちゃん違うか。前カレは就職で疎遠になっちゃったの聞いたけど、初カレなんで別れたの?」
「えっちを覚えたら浮気した。体と心は別とか言いやがって。アレで男に夢見れなくなった」
別れたあとまわりが勝手にぼっち化させててスッキリしたけどな。
「ああ…その初カレのせいでそんなわけわっかんない恋愛観になっちゃったんだ…。伊藤くんはお眼鏡に叶いそうなの?最近よく会ってるけど」
「んー、私大好きが溢れててイイね。でもまだ学生だからさー、仕事はじめても変わんなかったらって感じ」
「それは前カレの教訓か。凛ちゃんちゃんとアップデートして彼氏選んでたんだねー。意外としっかり考えてたから安心したわ。好みには全く安心出来ないけど」
でっしょ、これでもちゃんと考えてんだよ。チヤホヤ口説かれるのが気分いーのもホントだけど。
「それじゃ、これからデートだからそろそろ出るねー。ばいばーい」
化粧を直して、扉を開けて更衣室から出た。
一歩踏み出したら、床がなかった。
「……っっぎゃあああああぁっ?!」
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