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手合わせ願おう
しおりを挟む階段を上る音が聞こえる。
読んでいた漫画に指を挟んで閉じて、勢いよく開いたドアから入ってきた奏太の方へ寝転んだまま顔を向けた。
「おかえり~」
「留依、お前勝手にオレの部屋入ってんじゃねーよ」
この部屋の主である奏太はいつもの文句を口にしながら、鞄を座椅子の上に放り投げてクローゼットを開く。
「おばちゃんに呼ばれたんだもーん、奏太スマホ忘れてったから。今日うちの親と飲みにいくからご飯二人で食べなってさ」
「ほーん。……あーライン入ってるわ」
「げ、奏太ここで着替えんの?いくら幼なじみでもないわー」
奏太は上半身をカッターシャツからパーカーに着替えたあと、そのままズボンまで脱ぎだした。デリカシーのない男だ。
「知るかよ、お前がオレの部屋に居座ってんのが悪いんだろ。つーかどの口がデリカシーだのほざいてんの?パンツ見せながら言うセリフじゃねぇわ、制服ぐらい着替えてからこいよ」
「奏太のえっちー」
ゴロゴロしてる間にスカートがめくれあがっていたらしい。いやん。
裾を直しながら軽口を叩くと、奏太は鼻で笑ってえろくも何ともないとか言ってきやがった。
「ははっ。ねぇわー、色気ゼロだわー。パンツ見たってちんこピクリともしねぇ」
「花のJKに向かって何失礼なこと言ってんだ」
これでもDカップあるんだぞ。ウエストだってちゃんとくびれてるし、高校生にしちゃ中々の色気だと自負してるのに。
「胸掴むんじゃねーよだから駄目なんだよお前。はー、オレ留依じゃ絶対勃たねぇな」
「はぁん?!」
「恥じらいがねんだよ。これが渡辺さんだったら勃起不可避なのに」
「何あんた渡辺さん好きなの?彼氏いるよ」
「かーわいいよなー、先週ニコニコしながらお菓子分けてくれてさー。なのに放課後デート現場を目撃して即日失恋した」
お菓子貰っただけで?チョロい。チョロいぞ奏太。
「ほらお菓子どうぞ~」
奏太が階段をあがりきる前に掛布団の中に隠したポテチを取り出して、差し出してみた。さあ私に惚れるが良い。
「あっお前ベッドの上で菓子食うなつったろ!またいっぱいカス落ちてんじゃねぇか馬鹿留依!」
惚れるどころか私の体を乱暴に押し退けてシーツの上を掃除しだした奏太にイラついて、四つん這いになったヤツのお尻に足を乗せて足の裏をぐりぐり押しつける。
「……掃除してんだよ邪魔すんなし。何してんだよ」
「勃たないとか侮辱されたから勃たせてみようとしてる」
奏太Mっぽいから踏んだらよろこぶかなって思ったんだけど。
コロコロの一番上を剥いでケースに戻した蒼太は私の足を掴んで押し戻し、心底馬鹿にした顔でこっちを見た。
「オレさっき何つった?お前に勃つわけねぇって言ったよな、恥じらいがねーから。あったら人のケツ踏もうとしねんだわ。本当残念な女だな」
「……勃たない勃たないうるさいっての。恥じらいがなくても勃つってことを証明してみせましょう」
「は?」
恥じらいがないのはまあ認めるとして、残念は認められない。告白だってされたことあるんだからな!
ベッドの上に乗りあがって奏太の方へ手を伸ばす。さっき履いたばかりのズボンのボタンを外そうとしたら手首を掴まれて、そのまま奏太と睨み合う体勢になった。
「痛いし。女の子はもっと優しく扱ってよ」
「おっまえ!ちんこ触ったら勃つに決まってんだろ馬鹿じゃねぇの何やってんの!」
「勃つんじゃん」
「お前に興奮して勃つのと違うし」
「はぁん?じゃあキスでもしてみる?」
「オレのファーストキスこんなことで奪ったら一生恨んでやる!触んな!」
わがままな。
「大体触られて勃つのなんか当たり前だろ、そんなんお前、留依に反応したんじゃなくて刺激に反応するだけだからな!女だって寒いと乳首たったりすんだろ、それと同じだわ」
なるほど、一理あるかもしれない。
えーっと、じゃあ、触らずに。刺激がダメなら息吹きかけたりするのもダメ。そんでもって私で興奮するように。
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