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一緒に下校
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光輝にとってはいろいろあった日だったが、学校にはいつもの日常風景が広がっている。
生徒達は何も知らずにそれぞれの部活動に励んでいる。自分もそうだったと思うとみんなが羨ましい。
教室に戻って鞄を手に取って帰ろうとすると、郁子が声を掛けてきた。
彼女はハンターを自称する少し変わった人だったが女の子には違いないので、光輝の心臓はちょっと跳ね上がってしまう。
「では、光輝さん。一緒に帰りましょうか」
「凛堂さんは部活に入ってないの?」
「わたしには使命があります。部活にかまけている暇はありませぬ」
「そうですか」
さっきから敬語の混じる彼女に光輝はちょっと釣られてしまう。
郁子の個人的な事情には光輝が首を突っ込むことではないだろう。
光輝は誘われるままに一緒に下校することになった。
特に話すことはなく、お互いに無言だった。郁子は手に剣を下げ周囲を警戒している様子だったが、学校の廊下で何かが襲ってくることは無かった。
二人は気づいていなかった。背後から忍び寄ってきていた者に。
奴は下駄箱から靴を出した光輝の背後からいきなり跳び付いてきた。
「お兄ちゃーーん、一緒に帰ろーーー」
「希美か! お前、父さんと母さんと一緒に行かなかったのか?」
出発する時に静かだったのはもう車に乗っていたからだと思っていたのに。
しがみついてきた彼女を回して振る。希美は離れなかった。
肩越しに鼻のくっつきそうな距離で話しかけてきた。妹とはいえ、人の目のあるところで勘弁して欲しかった。
「うん、あたしにとってはお兄ちゃんの方が気になるし、夫婦水入らずを邪魔するのも悪いからね」
「そういう問題じゃないだろう」
そう、両親は別に遊びに行ったわけじゃない。悪魔に狙われている光輝から離れるために避難したのだ。そういう話だったはずだ。
温泉旅行とか言ってはしゃいでいた気もするが。
「僕を狙ってまた悪魔が狙ってくるかもしれないんだぞ」
「でも、組織が守ってくれるんでしょ」
「仕方ないわね」
仲睦まじい兄妹を、郁子はまるで姉のように穏やかに見つめていた。調和を乱す闇から世界を守るハンターとして宣言する。
「あなたも妹さんもわたしが守るわ」
「よろしくお願いします」
希美がやっと背中から離れてくれて礼儀正しく挨拶していた。
郁子の実力を光輝は知らないが、きっと頼りになるのだろう。
悪魔が光輝を狙ってどう来るのかは知らないが。
今は彼女に任せることにした。
その頃、人間界に新たにやってきた三匹の悪魔達は、通学路の途中にある空き地に集まって会議をしていた。
子供達は近所に新しく出来たおしゃれな公園の方に遊びに行っているので、草のぼうぼうに伸びたこっちの寂れた公園にやってくる人はいなかった。
悪魔達は相談しあう。まるで闇が蠢くかのように。
「奴はこの辺りにいるらしいな」
「闇の炎を持つ人間か。ハンターが守っているらしい」
「うかつに踏み込んでもやられるだけだろう。作戦を立てることにしよう」
こうして慎重な悪魔の提案で、彼らは作戦を立て始めた。
主であるリティシアのために、王の闇の炎を手に入れるために。
生徒達は何も知らずにそれぞれの部活動に励んでいる。自分もそうだったと思うとみんなが羨ましい。
教室に戻って鞄を手に取って帰ろうとすると、郁子が声を掛けてきた。
彼女はハンターを自称する少し変わった人だったが女の子には違いないので、光輝の心臓はちょっと跳ね上がってしまう。
「では、光輝さん。一緒に帰りましょうか」
「凛堂さんは部活に入ってないの?」
「わたしには使命があります。部活にかまけている暇はありませぬ」
「そうですか」
さっきから敬語の混じる彼女に光輝はちょっと釣られてしまう。
郁子の個人的な事情には光輝が首を突っ込むことではないだろう。
光輝は誘われるままに一緒に下校することになった。
特に話すことはなく、お互いに無言だった。郁子は手に剣を下げ周囲を警戒している様子だったが、学校の廊下で何かが襲ってくることは無かった。
二人は気づいていなかった。背後から忍び寄ってきていた者に。
奴は下駄箱から靴を出した光輝の背後からいきなり跳び付いてきた。
「お兄ちゃーーん、一緒に帰ろーーー」
「希美か! お前、父さんと母さんと一緒に行かなかったのか?」
出発する時に静かだったのはもう車に乗っていたからだと思っていたのに。
しがみついてきた彼女を回して振る。希美は離れなかった。
肩越しに鼻のくっつきそうな距離で話しかけてきた。妹とはいえ、人の目のあるところで勘弁して欲しかった。
「うん、あたしにとってはお兄ちゃんの方が気になるし、夫婦水入らずを邪魔するのも悪いからね」
「そういう問題じゃないだろう」
そう、両親は別に遊びに行ったわけじゃない。悪魔に狙われている光輝から離れるために避難したのだ。そういう話だったはずだ。
温泉旅行とか言ってはしゃいでいた気もするが。
「僕を狙ってまた悪魔が狙ってくるかもしれないんだぞ」
「でも、組織が守ってくれるんでしょ」
「仕方ないわね」
仲睦まじい兄妹を、郁子はまるで姉のように穏やかに見つめていた。調和を乱す闇から世界を守るハンターとして宣言する。
「あなたも妹さんもわたしが守るわ」
「よろしくお願いします」
希美がやっと背中から離れてくれて礼儀正しく挨拶していた。
郁子の実力を光輝は知らないが、きっと頼りになるのだろう。
悪魔が光輝を狙ってどう来るのかは知らないが。
今は彼女に任せることにした。
その頃、人間界に新たにやってきた三匹の悪魔達は、通学路の途中にある空き地に集まって会議をしていた。
子供達は近所に新しく出来たおしゃれな公園の方に遊びに行っているので、草のぼうぼうに伸びたこっちの寂れた公園にやってくる人はいなかった。
悪魔達は相談しあう。まるで闇が蠢くかのように。
「奴はこの辺りにいるらしいな」
「闇の炎を持つ人間か。ハンターが守っているらしい」
「うかつに踏み込んでもやられるだけだろう。作戦を立てることにしよう」
こうして慎重な悪魔の提案で、彼らは作戦を立て始めた。
主であるリティシアのために、王の闇の炎を手に入れるために。
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