AIの書いた婚約破棄

けろよん

文字の大きさ
12 / 28
第1章

第12話

しおりを挟む
 その後、私達は教会の近くにあるカフェで昼食を食べることになった。そこでは色んな話をしたのだが、その中でも一番盛り上がったのはやはりウィルのことだった。

「まさか生きていたなんて信じられないわね……」

 そう言った私に同意するように頷く彼女を見て嬉しくなった。やはり姉妹だけあって考えることは同じなのだと実感した瞬間でもあったからだ。その後も会話を続けていたのだが、ふとあることを思い出したかのように訊ねられた。

「そういえば最近、殿下とはどうなの?」

 何気なく聞いたつもりなのだろうが、それを聞いた途端私の顔が曇ってしまったのを見て彼女は驚いていた。

「どうしたの? 何かあったの?」

 心配そうに顔を覗き込んでくる彼女を見て申し訳ない気持ちになった。何故なら、昨日の出来事を話すわけにはいかなかったからである。言えばきっと心配をかけてしまうと思ったからだ。

「……何でもないわ」

 そう言って誤魔化すことにした。しかし、そんな私の様子を見て何かを察したのかそれ以上聞いてくることはなかった。

「そう……ならいいんだけど……」

 そう言うと、話題を変えようとしてくれたので内心ホッとしながら相槌を打つのだった。その後は他愛のない会話をしていただけだったのだが、不意に気になることを言われた。

「ところでなんだけどさ、今度殿下に会う予定とかはあるのかしら?」

 その質問に首を傾げていると、彼女は続けて言った。

「ほら、前に言ってたじゃない? 結婚するかもって言ってたでしょ? だからそろそろなのかなって思って聞いてみたのよ」

 確かにその話は以前にもしたことがあるが、今はもう婚約破棄された後だったので完全に忘れていたのだ。なので正直にそのことを話したところ、彼女は残念そうに呟いた。

「そっか……残念だけど仕方ないわよね」

 その言葉にどう反応すればいいのかわからなかったので黙っていることしかできなかった。すると、今度は逆に質問された。

「それでどうするの? これからはウィルと付き合うの? それともやっぱり殿下と結婚するのかしら?」

 その問いかけにドキッとしたが、平静を装って答えた。

「まだわからないわ。だってこれからどうなるのかもわからないし……」
「まあ、それもそうね」

 私の言葉に同意した彼女はそれ以上何も聞いてこなかった。そのことに安堵したものの、同時に不安に思ったのも事実だった。なぜなら、今後どうなるかなんて誰にも予想できないのだから……。
 そんなことを考えていると、ふいに声をかけられた。

「大丈夫? さっきからぼーっとしてるみたいだけど……」

 その声にハッとして顔を上げると目の前に彼女の顔があった。どうやら考え事をしているうちに上の空になっていたようだ。慌てて謝罪の言葉を口にしたが、彼女は首を横に振った。

「別にいいわよ。それよりも具合が悪いんだったら無理しない方がいいんじゃない?」

 そう言われたものの、これ以上迷惑をかけたくなかったので大丈夫だと答えた。だが、それでも引き下がろうとはしなかった。それどころか真剣な表情で見つめられてしまったので観念した私は正直に打ち明けることにした。

「実はね、ここに来る前の事なんだけどね……」

 そこまで言うと一旦言葉を区切った後で再び話し始めた。その内容を聞いた彼女は驚いていたが、何も言わずに最後まで聞いてくれた。
 全てを話し終えた時、彼女は難しい顔をしていたが、やがて私の方を向くと言った。

「なるほどね……それは辛かったでしょう」

 同情するような眼差しを向けられて泣きそうになったが何とか堪えることができた。ここで泣いてしまったらますます心配をかけてしまうと思ったからだ。そんな彼女は私の頭を撫でながら言った。

「話してくれてありがとう。でも、もう大丈夫よ。貴女のことは私が守ってあげるから安心してちょうだい」

 その言葉に思わず涙が出そうになったが何とか堪えることに成功した。そして、小さく頷いて返事をすると優しく抱きしめられた。その瞬間、胸の奥が熱くなるのを感じた。それが何なのかはわからなかったが、不思議と嫌な気分にはならなかった。むしろ心地良いと思えるほどだった。
 それからしばらくの間抱き合っていた私たちはどちらからともなく離れると、お互いに見つめ合ったまま微笑み合っていた――。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

婚約破棄された公爵令嬢は虐げられた国から出ていくことにしました~国から追い出されたのでよその国で竜騎士を目指します~

ヒンメル
ファンタジー
マグナス王国の公爵令嬢マチルダ・スチュアートは他国出身の母の容姿そっくりなためかこの国でうとまれ一人浮いた存在だった。 そんなマチルダが王家主催の夜会にて婚約者である王太子から婚約破棄を告げられ、国外退去を命じられる。 自分と同じ容姿を持つ者のいるであろう国に行けば、目立つこともなく、穏やかに暮らせるのではないかと思うのだった。 マチルダの母の祖国ドラガニアを目指す旅が今始まる――   ※文章を書く練習をしています。誤字脱字や表現のおかしい所などがあったら優しく教えてやってください。    ※第二章まで完結してます。現在、最終章について考え中です(第二章が考えていた話から離れてしまいました(^_^;))  書くスピードが亀より遅いので、お待たせしてすみませんm(__)m    ※小説家になろう様にも投稿しています。

婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました

由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。 彼女は何も言わずにその場を去った。 ――それが、王太子の終わりだった。 翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。 裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。 王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。 「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」 ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。

【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く

ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。 5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。 夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

この野菜は悪役令嬢がつくりました!

真鳥カノ
ファンタジー
幼い頃から聖女候補として育った公爵令嬢レティシアは、婚約者である王子から突然、婚約破棄を宣言される。 花や植物に『恵み』を与えるはずの聖女なのに、何故か花を枯らしてしまったレティシアは「偽聖女」とまで呼ばれ、どん底に落ちる。 だけどレティシアの力には秘密があって……? せっかくだからのんびり花や野菜でも育てようとするレティシアは、どこでもやらかす……! レティシアの力を巡って動き出す陰謀……? 色々起こっているけれど、私は今日も野菜を作ったり食べたり忙しい! 毎日2〜3回更新予定 だいたい6時30分、昼12時頃、18時頃のどこかで更新します!

冷遇王妃はときめかない

あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。 だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。

【完結】 嘘と後悔、そして愛

月(ユエ)/久瀬まりか
恋愛
伯爵令嬢ソニアは15歳。親に勝手に決められて、一度も会ったことのない10歳離れた侯爵リカルドに嫁ぐために辺境の地に一人でやってきた。新婚初夜、ソニアは夫に「夜のお務めが怖いのです」と言って涙をこぼす。その言葉を信じたリカルドは妻の気持ちを尊重し、寝室を別にすることを提案する。しかしソニアのその言葉には「嘘」が隠れていた……

真実の愛のおつりたち

毒島醜女
ファンタジー
ある公国。 不幸な身の上の平民女に恋をした公子は彼女を虐げた公爵令嬢を婚約破棄する。 その騒動は大きな波を起こし、大勢の人間を巻き込んでいった。 真実の愛に踊らされるのは当人だけではない。 そんな群像劇。

処理中です...