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全知の小学生
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本当に悪いことをしたら地獄に落ちるのだなと学んだ。お母さんは嫌な感情という感情を全て顔に出したかのような表情を浮かべながら泣き叫び、お父さんはお好み焼きの上の鰹節みたいにひたすら謝り続けるのをただ何も出来ずに泣きながら見ていた。
私が余計なことを言わなければ……。私にもっと知識があれば……。月に向かって手を伸ばしてみる。私の小さな手でも月が隠れた。なんだかこの家の明るさを月が奪ったみたいに見えて腹がたった。何も知らずのほほんと生きている私みたいに見えて、力いっぱい握りつぶしてみた。よわよわしい光が手からこぼれる。何やってんだ私は、と手を開くと、さっきまで浮かんでいた月はどこにも見つからなかった。街には松虫が鳴く音と、私立旨詩花高校から帰宅する生徒の自転車の音だけが響いていた。
私が余計なことを言わなければ……。私にもっと知識があれば……。月に向かって手を伸ばしてみる。私の小さな手でも月が隠れた。なんだかこの家の明るさを月が奪ったみたいに見えて腹がたった。何も知らずのほほんと生きている私みたいに見えて、力いっぱい握りつぶしてみた。よわよわしい光が手からこぼれる。何やってんだ私は、と手を開くと、さっきまで浮かんでいた月はどこにも見つからなかった。街には松虫が鳴く音と、私立旨詩花高校から帰宅する生徒の自転車の音だけが響いていた。
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これからも、読み続けさせて貰います。
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いっくんさん!感想ありがとうございます!褒めて頂けると励みになります!冬休みに入ればまとまった時間が取れる様になるので、その時にじっくり読まさせて頂きます!!!大賞頑張ってください!
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続きを楽しみにお待ちします
るしあるさん感想ありがとうございます!私の小説のテーマには願望と代償というものがあり、それについて書いたものです!今回の話では、全てを知りたいと望み、それが叶い、少女はもう夢を抱くことが出来なくなり知っている毎日を消化するだけになってしまう話でした。
冬休みに入れば、まとまった時間ができるので、その時、ゆっくり読ませていただきます!