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第60話
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第60話 ばあちゃん、じいちゃん。お腹を抱える
翌朝
「エリーゼ様。朝でございます?」
使用人が着替えのために寝室に入ってきました。
「エリーゼ様その装い???」
目が飛び出る使用人を冷静にわたしは言い放った。
「“おれ”は、男の子だから自分で着替えるのが当然だ」
使用人は目を見開いたかと思うと、踵を返して部屋の外に走り出した。
「公爵さ~ま! 大変です! セバスティアン~ た、たいへん」
どん・ガラがらガラがら
「ちっ!階段から落ちやがったな」
使用人が階段から足を踏み外してしまうのも仕方ありません。
わたしは、グレて男の子になろうと決めたのです。そうすれば全て上手くいくと気づいてしまったのです。
まずは、“農業改革” 実際に農業関係は、男性が担うと聞いたこと。そして、ブレンとの婚約をなかったことにする。例え仮であっても、大きな問題が起きなければ大人たちは“仮”をとって本当に婚約してしまうはずなのです。これがフェールドお兄さまであるならば、ウェルカムなのですが、同じ血が流れているとはいえ、ブレンは生理的に無理なのです。
好きな女の子に、意地悪をして気を引こうとしている男の子に告げます。その行為は逆に好きな子に嫌われます。女の子はそんな男の子に好意を向けることはありません。好きな子には優しくして紳士的な行動をとりましょう。
―って話しがそれました。お話をもどします。
ともかく、男の子になった振りをして、仮婚約を躱し、精霊と妖精の負担を軽くするために農業改革をして、最終的に聖女にならず、女王にならないのがこの目的なのです。
名付けて“エリーゼ男の子になり、女王の座は妹になってもらう。でも貰った物と人脈はもらっておきます!作戦”なのです。
しばらくして、お部屋に近づく足音が聞こえてきました。
スゥー
「まあああ! エリーゼ。その恰好は何なのですか!」
「リーゼ。一体どうしたんだ!」
驚く両親に反して、風と森の妖精は踊るように飛び回り、お祖母さまとお祖父さまは、お腹を抱えて笑っています。
笑いすぎて涙を流しているお祖母さまとお祖父さまを見ないふりして
「お袋。親父。そんな驚いてどうしたんだ。
それよりも、昨日倒れた女性(人)は、大丈夫だったのか?」
「お、おふくろ?」
「お、おやじ?」
言葉に詰まる両親を見て、大きな声を出して笑い続けていた祖父母が、代わりに口を開きました。
「彼女は元々身体があまり強くなかったのよ。彼女の国は、国を治める他に大きな樹を守ることもしなければいけないので心労がたまったのね。
そして、大きな樹を守っているにも関わらず、風と森の精霊がエルーフェの周りで飛び回っているので、心労が増えたのよね」
なぜかお祖母さまは、お母さまと風と森の精霊を見つめます。
「で、ばぁば。それで、あの女は大丈夫だったのかよ?」
「『ばぁば?』いい響きだわ。リーゼちゃん。今後は、ばぁばと呼んで」
「わしは、じぃじと呼んでくれるか?」
「まぁ。お母様に向かって『ばぁば』と庶民と同じ呼び方は許しません」
ぼやぽやとしていたお母さまでしたが、わたしの発言で、意識を取り戻したようです。
「そんな事よりも、おれの質問に答えてくれ」
「ぷっは~。リーゼちゃんは、男の子でなく、不良の男の子になったのね」
お祖母さまは、笑い声を耐え切れなく、噴き出しました。
そんな雰囲気の中、精霊のゾネとクラーレスが現れ、肩に乗りました。
「エリーゼ。精霊の僕達が落ち着いている今、彼女は大丈夫さ。ヴィクトリアも言っていたが、彼女は体が弱いのに、多忙だったのと、その場に多くの精霊がいたので気疲れしてしまったのさ。でもボクは、しばらく静養が必要だと思うな」
わたしとゾネがしゃべっていると、お母さまがわたしの手を握りました。
「リーゼちゃん。いつの間に神社(精霊会)に行ったの?」
「お袋。なぜ神社なんだよ」
「神社(精霊会)の長い階段から転げ落ちて、男の子と入れ替わったのよね?」
「「「「 『転校生』かよ!」 」」」
何故か精霊と妖精が突っ込みました。
転校生ってなに? わたしは精霊たちの言葉の意味が分からず、頭をかしげました。
――――――――――――――――――――――
男子と女子の体が入れ替わる思春期の中学生が主役の『転校生』
『おれがあいつで、あいつがおれで』のセリフで有名な映画です。
(原作名でもあるようです)
1982年の作品… オールドなネタですみません。
サブスクリプションのおかげで、知らなかった映画やドラマなどでも気軽に手を出せるので、学生でもこちらが知らない古い映画や音楽でも知っていて、驚いてしまいます。
ちなみにエリーゼは入れ替わっていません。
そして数話エリーゼの一人称は『おれ』 地の文では『わたし』になりますが、ご承知お願いします。
作者
翌朝
「エリーゼ様。朝でございます?」
使用人が着替えのために寝室に入ってきました。
「エリーゼ様その装い???」
目が飛び出る使用人を冷静にわたしは言い放った。
「“おれ”は、男の子だから自分で着替えるのが当然だ」
使用人は目を見開いたかと思うと、踵を返して部屋の外に走り出した。
「公爵さ~ま! 大変です! セバスティアン~ た、たいへん」
どん・ガラがらガラがら
「ちっ!階段から落ちやがったな」
使用人が階段から足を踏み外してしまうのも仕方ありません。
わたしは、グレて男の子になろうと決めたのです。そうすれば全て上手くいくと気づいてしまったのです。
まずは、“農業改革” 実際に農業関係は、男性が担うと聞いたこと。そして、ブレンとの婚約をなかったことにする。例え仮であっても、大きな問題が起きなければ大人たちは“仮”をとって本当に婚約してしまうはずなのです。これがフェールドお兄さまであるならば、ウェルカムなのですが、同じ血が流れているとはいえ、ブレンは生理的に無理なのです。
好きな女の子に、意地悪をして気を引こうとしている男の子に告げます。その行為は逆に好きな子に嫌われます。女の子はそんな男の子に好意を向けることはありません。好きな子には優しくして紳士的な行動をとりましょう。
―って話しがそれました。お話をもどします。
ともかく、男の子になった振りをして、仮婚約を躱し、精霊と妖精の負担を軽くするために農業改革をして、最終的に聖女にならず、女王にならないのがこの目的なのです。
名付けて“エリーゼ男の子になり、女王の座は妹になってもらう。でも貰った物と人脈はもらっておきます!作戦”なのです。
しばらくして、お部屋に近づく足音が聞こえてきました。
スゥー
「まあああ! エリーゼ。その恰好は何なのですか!」
「リーゼ。一体どうしたんだ!」
驚く両親に反して、風と森の妖精は踊るように飛び回り、お祖母さまとお祖父さまは、お腹を抱えて笑っています。
笑いすぎて涙を流しているお祖母さまとお祖父さまを見ないふりして
「お袋。親父。そんな驚いてどうしたんだ。
それよりも、昨日倒れた女性(人)は、大丈夫だったのか?」
「お、おふくろ?」
「お、おやじ?」
言葉に詰まる両親を見て、大きな声を出して笑い続けていた祖父母が、代わりに口を開きました。
「彼女は元々身体があまり強くなかったのよ。彼女の国は、国を治める他に大きな樹を守ることもしなければいけないので心労がたまったのね。
そして、大きな樹を守っているにも関わらず、風と森の精霊がエルーフェの周りで飛び回っているので、心労が増えたのよね」
なぜかお祖母さまは、お母さまと風と森の精霊を見つめます。
「で、ばぁば。それで、あの女は大丈夫だったのかよ?」
「『ばぁば?』いい響きだわ。リーゼちゃん。今後は、ばぁばと呼んで」
「わしは、じぃじと呼んでくれるか?」
「まぁ。お母様に向かって『ばぁば』と庶民と同じ呼び方は許しません」
ぼやぽやとしていたお母さまでしたが、わたしの発言で、意識を取り戻したようです。
「そんな事よりも、おれの質問に答えてくれ」
「ぷっは~。リーゼちゃんは、男の子でなく、不良の男の子になったのね」
お祖母さまは、笑い声を耐え切れなく、噴き出しました。
そんな雰囲気の中、精霊のゾネとクラーレスが現れ、肩に乗りました。
「エリーゼ。精霊の僕達が落ち着いている今、彼女は大丈夫さ。ヴィクトリアも言っていたが、彼女は体が弱いのに、多忙だったのと、その場に多くの精霊がいたので気疲れしてしまったのさ。でもボクは、しばらく静養が必要だと思うな」
わたしとゾネがしゃべっていると、お母さまがわたしの手を握りました。
「リーゼちゃん。いつの間に神社(精霊会)に行ったの?」
「お袋。なぜ神社なんだよ」
「神社(精霊会)の長い階段から転げ落ちて、男の子と入れ替わったのよね?」
「「「「 『転校生』かよ!」 」」」
何故か精霊と妖精が突っ込みました。
転校生ってなに? わたしは精霊たちの言葉の意味が分からず、頭をかしげました。
――――――――――――――――――――――
男子と女子の体が入れ替わる思春期の中学生が主役の『転校生』
『おれがあいつで、あいつがおれで』のセリフで有名な映画です。
(原作名でもあるようです)
1982年の作品… オールドなネタですみません。
サブスクリプションのおかげで、知らなかった映画やドラマなどでも気軽に手を出せるので、学生でもこちらが知らない古い映画や音楽でも知っていて、驚いてしまいます。
ちなみにエリーゼは入れ替わっていません。
そして数話エリーゼの一人称は『おれ』 地の文では『わたし』になりますが、ご承知お願いします。
作者
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