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新しい何か

第九話

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朝食の後、私とリーサはあかねとひよりを連れて散歩に出た。
みんなでゆっくり歩く。
風が気持ちいい。
花の匂い、優しい風、川の流れ、綺麗なお水、牛などの家畜の気配、野菜達溢れる畑、どこをとっても自然が溢れスマホゲームからはかけらもわからない村の様子だった。「」

ここでリーサとずっと一緒に生活していけたら私達はとても幸せだなぁと思ってしまった。
もちろん、ずっと頼りっぱなしと言う事はなく、出来ることで働こうと思う。
私は看護師の仕事を7年働いている。
怪我や病気の事ならある程度はわかる。
後、助産師の資格もあるから出産の介助も大丈夫だ。動物の出産も、、いけるかな?
なんにしても、出来ることはしっかりやろうと思う。
なんにしても、まずは散歩しながらみんなとコミュニケーションだ。リーサに紹介してもらいながら私は村の中を歩いた。
途中あかねが「うしさーん」、ひよりが「やしゃーい、あ、んましゃーん」など、寄り道もいっぱいだけど、こんなにのんびりな時間は中々なかった。本当穏やか過ぎて驚く。
みんなの所歩いて行って、お隣はドゥーラさんカンテルさんご夫婦、反対側のお隣はシーラさんとバンガスさんご夫婦、川を挟んでティーラさんモチヤさんご夫婦、畑を挟んでミャウさんガザムさん老夫婦と近隣はそんな感じで皆さんとご挨拶させていただいた。
少し離れた所にこの村唯一の診療所と村長さんのお宅があり、そこにもご挨拶に伺った。村長さんには、私達三人がどうしてここへ来たのかお話しさせて頂いた。

「はじめまして、マキと申します。
娘のあかねとひよりです。
私達三人はこことは違う世界からきました。草原に落ち困っていた所、リーサそんに助けられました。
今リーサさんの元でお世話になっています。私達は転生者と言うのでしょうか。何によって導かれここに来たのかはわからないけど、出来ることはしっかりやる、そんな事を探していることを村長に話し、そんなにいきなりここに来ては何もなくて困るだろうと三人分で10000ゴールドを支給してくれた。
ここは比較的穏やかな村で農業も盛んなので村の割には貧しくはないんだとか。
とりあえず、生活補助は出してもらえた。
来月また少し補助金だせるようにするこらと約束してくれて署名した。
後必要なものは仕事だ。
どこか働けるようにしたい。
診療所によると、助手を探していること、出産できるならなお嬉しいことなど聞いて、明後日からゆるく働き始める事になった。なので明日は神殿に行って魔法の事、系統の事をどうなのか聞いてこようと思う。そんな感じでみんなのところにいって、畑と川によって、魚も見つけて素手でとり家に帰宅した。
それからリーサと共にお昼ご飯の用意を軽くしてみんな仲良くお昼寝をした。
こんなに優雅な時間の使い方していいのかと罪悪感でいっぱいになったが、何もする事がなく、子供達と触れ合う事が今の私に一番大切な事なのだと割り切り今を楽しく過ごす事にした。
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