…恐れるのは正しいか?

レキ

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2巻

第1章・無力

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今でも覚えている、その暗闇に圧倒され、疲弊した動きで思考を曇らせた。
愚かだった。どんな逆境にも無防備で、こんなに弱くても幸せを願う傲慢さ。
大切な人に迷惑をかけるのは嫌だった。もう二度と繰り返さない、あんな経験がまた感じたくなかった…

「この素敵な魂は?」と尋ねると、手から白っぽいデバイスを下ろした。声も笑顔も子供っぽいが、30代くらいだった。
私の前に立っていた。彼女は灰色がかった短い髪に、ブーメランクリップで前三つ編みを束ね、黄色みを帯びた赤っぽい瞳、そして背中には天使の羽をつけた。
アクアマリン色のワンピースに金色のストラップ、腰に白いアクセントのついた黄色のスカーフを巻き、銀色の靴下をはいている。
私は4本の触手を持つ、青と赤の半々で光るクラゲだった。
気がつくと、部屋は傾いていた。円筒形の壁を持つ塔だった。
「あなたは?…」
自分がどこにいるのかもわからないのに、不安よりも悲しさが先に立っていた。
「あらら」一呼吸おいてから、こう付け加えました:「女神?母?保護者?」と、いろいろな肩書きをつけて自己紹介をした。
「保護者?…」
「うん、はい、そうだよ。魂を守り、幸せにしようとする、みたいな」緊張して指を曲げ、自分のこめかみを指した。
「…」
その沈黙に納得がいかず、彼女は続けた:
「それで、何を…?」
「わたしも保護者になりたい…」と私は口を挟んで懇願した。

「ぇ…」無茶な要求に頭が真白になった。マニュアルでは、別の宇宙や同じ宇宙に生まれ変わることを願うのが普通だったのです。「何でなりたいの?」素朴な疑問を投げかけてみた。
「わたしの大切な人たちも守りたい…」
「それを望むなら、資格がないんです」と、自分の商売のマイナス面を露骨にアピールしてきた。
「何が悪いの…?」悔しさのあまり頭を下げ、怒りのあまり頭を上げた。「いい人を加害者から守りたいという気持ちの何がいけないのか!?…悪い人を守るのは、自分はその人と何も変わらないじゃないか!」
自分のイライラを彼女にぶつけた。彼女が頭を下げたときに怒らせたのか恐ろしかった。
「なんという勇気!あたくしを虜にしました!もちろん、なるわよ!」と誇らしげに語った。

「ならない。それに、待ち合わせする前に、メッセージを送ってって言ったはずだ。わかったか、フォレット?」
髪は黒に白のグラデーション、ピンクのハイライト。左目はオレンジ、もう片方は紫で、左の瞳孔はとがった球、もう片方は雪の結晶だった。
手首と胸に金色の包帯を巻き、さらにショーツ代わりの包帯を巻いている。剥がれた端はシアンブルーになった。
女神の反応にショックを受けながらも、私の昇進をあきらめなかった:
「再考をしてくださいよ!純粋な判断力を持っている! ところで、寒くないか?」
「おい!」と傲慢に声をかけた。「本当になりたいか?」
「…うん」
「納得していないよう。大切な人を守りたい、でも…考えるだけでいいと思っているのか?」
女神は正しかった。私のような者が何の権利や何をもたらすのだろうか?
「自分の弱さ、ダメさ加減はわかっている…でも、何もしないと後悔する…お願い、強くなりたい…お願い、みんなを幸せにしたい! お願い、変わりたいよ!」
女神は真剣な態度から笑顔になり、フォレットも誇らしげだった。
「お嬢ちゃんの名前は?」
「ヌグ…」
そんな状況にもかかわらず、私は虚しさを感じていた。
「彼女を任せます、フォッレト。『もたらす魂…』」
「『…の母になる』。知っているんだから、渡すつもりなかった」と、笑顔で口を挟んできた。
「ほらね?たまに聞けるんじゃないか、ムハハ」
私の魂は、アクアマリンのズボンとシャツを着た昔の私の身体を採用した。

「何してるの?」と、落ちた尻尾で家に這い蹲った私を見て、尋ねた。
「こ…」
「こ?」心配になったのか、私に全神経を集中させた。
「怖いよ…め・めまいがする」
「外に出ようっか?」
弱々しくうなずき、フォレットの塔の外の芝生で、私は尋ねた:
「私は現れる前に…私の両親を見たの?」
「いいえ」尻尾を下げると、こう付け加えた:「幸せになったんでしょうね」
それはどこまで本当なんだろうと…
フォレットはメッセージを受け取った。私のように新しい女神を紹介してくれるって。
石畳のモダンな街で、私たちを集めた。
新メンバーと一緒に、基本的なことを教えてもらうが、その前に:
「うん、ヌグ、ムゴンを紹介しよう。ムゴン、ヌグを紹介しよう。あたくしはフォレットだ、よろしくな!」
ムゴンはノートに書いて、緊張した面持ちで私たちに見せた:
≪二人ともよろしくね!♡≫
私は見知らぬ少女に冷淡な顔で頷いた。
ムゴンは、原始人のような汚れた破れた茶色のノースリーブの布を身につけ、オレンジのハイライトが入った黒の小さなネックウォーマーを着用だった。
「あらら。その前に、入ってください、プレゼントあげるから」
洋服屋さんで、チェスのドレスからエレガントなパジャマまで、いろいろなものが陳列されており、何点か手渡された。
≪これをもらっていいんですか?高そうだから≫と心配ように見せた。
「大丈夫、大丈夫。あたくしの店だ、頻繁に客は来ない、商売はうまくいってないんだ、へへ…」と小声で言っていた。「持っててください、きっと似合うだから」
早速、二人で試着室に入りました。
着替えながら、二人の会話を聞いていたが、話しているのはフォレットだけだった。
「このコスプレは着てみたらどう?ちょっと大胆けど、ムゴンにぴったりだと思う」
試着室に入る音が、騒々しさとともに聞こえてきた。
「あらら、どうしたの?生まれたままの姿で見られることを恥ずかしいか?」
彼女と遊んでいるように聞こえたので、ネズミ(念)のため急ぎました。
「スカート?そのドレスには必要ない。分かった、分かった」彼女はあきらめたようだった。「女神のような格好をしたいのなら、包帯も持ってるよ」と言いながら、放り出された彼女は笑っていた。
楽屋から出てきた私たちを、抱きしめてくれた:
「ほらね?二人に似合うぞ」
ムゴンは、キュートな黒のノースリーブタートルネックワンピースで。ドレスのスカート部分には、さまざまな動物がオレンジ色にプリントされたスリットが入っていて、その下から同じ色のスカートが見えた。
黒とオレンジのストライプのロングストッキングに黒いブーツを履いてた。
私は白い半袖ブラウスに、ブレスの入ったハイウエストの日焼けしたスカート、白と茶のストライプのタイツとお揃いのブーツを履いていました。
私たちに媚びを売り、さまざまなことを囁き、まずはムゴンに:
「可愛いし、太ももが武器だし、どんな男も虜にしちゃうし、その長所をうまく使ってね」ムゴンは微笑みながら、緊張して顔を赤らめた。
「なんて可愛いんだ、ヌグの存在だけで誰もが幸せになれる、夢を叶えるために活用してくれ」私は複雑な気持ちになった。元の世界では、不細工だった。
≪ヌグさんはどう思う?似合うかな?(////)≫
ゲームをする気分ではなかったので、彼女を無視した。私の反応を見て、二人は顔を見合わせた。
そんな私の態度を見て、フォレットは提案を続けた:
「うん、楽しいところに連れてってあげるから、ついてきて!」

公園の受付で、頬に貼るステッカーを差し出してくれました。
「うん、二人はここで待っててくれる?すぐに戻るから」ムゴンに一目見て、私の世話をするよう命じ、彼女は頷いた。
ベンチの近くには、石畳の地面に枯葉が敷き詰められていた。
≪ヌグさん、可愛いと思わないか?ペンギンは最もロマンチックで忠実な動物ですよ≫と、自分のステッカーを指差しながら緊張気味に説明した。
「…」彼女と出会ってから、一度も口をきいていなかった。
何度も何度も、励まそうとしているだけなのに、コミュニケーションをとろうとしただけ。

そして、彼女があきらめかけたその時…
「可愛い…」
私の言葉を聞いた瞬間、とても喜んで、再確認した:
≪でしょう!?≫
「喋った方が早いのでは?…なぜ、そんなに複雑にするの?…」その迷惑な表現方法について、単刀直入に聞いてみた。
彼女は、自分の過去と障害について説明し、白状した。
その話を聞いて、私は思わず泣いてた。一番辛いのは自分だけ、私だけが苦しいと思って、自分のことばかり考えていた。
決して弱音を吐かず、身をかがめて私を抱きしめてくれたんだ。
その笑顔を見せたり、私は彼女の在り方、意志の強さ、優しさを羨ましく思ったんだ。
自分がいかに弱かったか、抱きしめてくれている女の子のように強くなりたい、と回想した。
フォレットが戻ってきて、おいしいミルクアイスを食べさせてくれて、安心してくれた。
観覧席に入ると照明が消え、私は恐怖でムゴンにしがみつきました。


疲れてメランコリックになった私は、バスタブの中で目覚めた。一瞬だけダイブして、頬を叩いた。
鏡の前で長い髪を整え、切ったことを思い出すとバカらしくなってきた…
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