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第1章 (1)アカリside
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しおりを挟む私はゆっくりとベッドから起き上がり、立ち上がると閉められていたカーテンを開けた。
窓から射し込む眩しい朝陽。
とてもいい天気だ。
ヴァロンは今頃、仕事。
今日も依頼人の夢を叶える為に頑張っている。
尊敬する彼の姿。
私も”寂しい”なんて言ってちゃいけない。
ヴァロンを支える為に、妻として何が出来るのか考えなくては……!
私は「うん!」と頷き、ダイニングキッチンの方へ足を進める。
……すると。
「!……うそ。
これ、ヴァロンが作ったの?」
いつも食事をしているテーブルの上に、ワンプレートに綺麗にまとめられた朝食が用意されていた。
『良く眠れた?
仕事行ってきます。
昼位にレナとレイが様子を見に来るから、それまでには身支度すませる様に!
昨夜の事、勘付かれない様にね?
特に首元と胸元、気を付ける事!』
朝食に添えられたメモ書きを見て、また私は思い出して真っ赤になってしまう。
そして……。
『いつも俺の傍に居てくれてありがとう。
今夜帰れると思うから……。
帰ってきたら、また可愛い笑顔を見せて?』
……。
メモ書きなのに。
文字なのに……。
いつもみたいに、意地悪そうに首を傾げて笑うヴァロンに言われてるみたいで……。私の胸はキュンッとときめく。
「っ……ヴァロン。大好き」
目覚めた時一人だと感じた寂しさが和らいで、私の胸を暖かくしてくれた。
……
…………。
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