夢の言葉と陽だまりの天使（上）【続編②】

第７章 （１）シュウside

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【夢の配達人隠れ家/シュウ仕事部屋】

「！……。
どうやら、話し合いは終わったようですね」

机に向かって仕事をしていた私の目に映った、通信機のメッセージ受信の光。
確認すると予想通りヴァロンからの連絡。
依頼人との話し合いが終わり、帰りの電車に乗ったとの報せだった。

”お疲れ様でした。道中気を付けて。”
と、簡単にメッセージを送って通信機を机に置くと私は溜め息を吐いた。

ヴァロンが8月から行く長期任務。
彼にとって夢の配達人としての地位、そして何よりアカリさんを守る上でとても重要な仕事だという事は分かっている。

けれど、このままヴァロンを行かせてもいいのかと……。
私と、私の父親であるマスター・ギャランも悩んでいた。


ヴァロンは責任感が強い。
1人でたくさんの事を抱え過ぎている。
白金バッジ、アカリさんの事、リディアや私、みんなの想い……。

アカリさんと結婚して生活が変わった彼にとって、独身の時の様な日程で仕事を熟すのは無理があった。
夢の配達人は現役で結婚をする者は少ない。
特に金バッジから上は成績に左右されて降格も有り得る事から、私生活に時間が縛られる事はマイナス点にしかならない。
たった1日の1回の仕事で、何億、何十億というお金が動いて順位が入れ替わる。
つまり、1日でも多く休む事はその分他の配達人に差をつけられてしまう。

当然上を目指す者は未婚が多く。
仮に結婚した場合、相手は限られた僅かな時間しか一緒に過ごす事は出来ない。