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第6章(6)ツバサside
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***
母さんに見送られて、家を出て、俺は全速力で港街にある酒場へとやって来た。
階段を降りて地下に行けば、そこは昼間なのに賑わうカジノエリアが広がっている。でも、俺の目的はこのカジノで遊ぶ事ではない。
俺が目指すのは、更にその先ーー。
「最高責任者に会わせてくれ」
このエリアの最奥にある扉の前にいるディーラー服を纏った男に声を掛けると、男は無言のまま何処からか一枚のコインを取り出し、俺の目の前で自分の左右の手の中に行ったり来たりさせる。
その、並の人間には信じられない素早さに、周りで見ていた客がザワッと騒ぐ。
「右か?左か?」
男はそんな騒ぎには目を向けず、動きを止めると俺に言った。
周りの客は関係ないにも関わらず「右だ!」「いや、左だ!」と声を上げている。
そんな中、俺は答えた。
「ここにある」
自分の右手を前に出すと、ゆっくりと指を広げた。
掌の上には、コイン。
一方の男が左右の手を開くが、その掌には何もない。
それを見た周りの客は「嘘だろ?」「何でだ?」と騒いでいた。
が、男はニッと笑うと背後の扉を開けてくれる。
「サンキュ、バッカス」
「遅いお戻りだな、ツバサ」
バッカスは元夢の配達人で、今は引退したがその後この扉を任される"門番"として最高責任者に雇われている。
すれ違い際に懐かしい仲間にコインを返しながら軽く挨拶を交わして、俺は扉を潜った。
その先に広がっているのは、まるで小さな街のような作りの空間。
地下に造られた夢の配達人の隠れ家だ。
懐かしいーー。
本当にここへ戻って来たのだと、ジンッと胸が熱くなるのを感じる。
だが、本番はここから。
足を踏み入れたが、俺はまだ夢の配達人ではない。
俺がもう一度夢の配達人になる為には、最高責任者に会い、面接を受ける必要があるからだ。
もう、迷いなんてないーー。
俺は深呼吸してその場を駆け出すと、最高責任者の部屋がある本部の建物へと全速力で駆け出した。
母さんに見送られて、家を出て、俺は全速力で港街にある酒場へとやって来た。
階段を降りて地下に行けば、そこは昼間なのに賑わうカジノエリアが広がっている。でも、俺の目的はこのカジノで遊ぶ事ではない。
俺が目指すのは、更にその先ーー。
「最高責任者に会わせてくれ」
このエリアの最奥にある扉の前にいるディーラー服を纏った男に声を掛けると、男は無言のまま何処からか一枚のコインを取り出し、俺の目の前で自分の左右の手の中に行ったり来たりさせる。
その、並の人間には信じられない素早さに、周りで見ていた客がザワッと騒ぐ。
「右か?左か?」
男はそんな騒ぎには目を向けず、動きを止めると俺に言った。
周りの客は関係ないにも関わらず「右だ!」「いや、左だ!」と声を上げている。
そんな中、俺は答えた。
「ここにある」
自分の右手を前に出すと、ゆっくりと指を広げた。
掌の上には、コイン。
一方の男が左右の手を開くが、その掌には何もない。
それを見た周りの客は「嘘だろ?」「何でだ?」と騒いでいた。
が、男はニッと笑うと背後の扉を開けてくれる。
「サンキュ、バッカス」
「遅いお戻りだな、ツバサ」
バッカスは元夢の配達人で、今は引退したがその後この扉を任される"門番"として最高責任者に雇われている。
すれ違い際に懐かしい仲間にコインを返しながら軽く挨拶を交わして、俺は扉を潜った。
その先に広がっているのは、まるで小さな街のような作りの空間。
地下に造られた夢の配達人の隠れ家だ。
懐かしいーー。
本当にここへ戻って来たのだと、ジンッと胸が熱くなるのを感じる。
だが、本番はここから。
足を踏み入れたが、俺はまだ夢の配達人ではない。
俺がもう一度夢の配達人になる為には、最高責任者に会い、面接を受ける必要があるからだ。
もう、迷いなんてないーー。
俺は深呼吸してその場を駆け出すと、最高責任者の部屋がある本部の建物へと全速力で駆け出した。
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