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第7章(3)ツバサside
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しおりを挟むアッシュトゥーナ家本邸の応接間。
契約書の作成が無事に終わり、お帰りになるサリウス様達を門まで見送りにヴィンセント様とレノアは出て行き、記者達も「早く記事にしなくては!」とバタバタと帰って行った。
部屋の中には、俺と最高責任者とノゾミさんの三人。
「一件落着、ですわね!
まだまだこれからが大変でしょうが……ツバサ君、ひとまず本日はお疲れ様でした」
「えっ?あ、いや、っ……その……」
そう言って、にっこりと微笑ってノゾミさんは労ってくれたけど、俺は複雑な心境だった。
だって、結局最後は最高責任者の力を借りて……。おまけに、夢の配達人の先輩達まで巻き込んで……。
「ーーさて。
無事に終わりましたし、帰りましょうか?ノゾミ」
「はい、ですわ。最高責任者」
「!っ……最高責任者!待って下さいッ!!」
扉に手を掛けた最高責任者を呼び止め、俺はその背中に向かって頭を下げた。
「っ、……ありがとう、ございました!
最高責任者と、先輩達の力がなかったら……きっと、……」
正直、悔しい気持ちもあった。
今回の事は……。レノアの事は、俺が何とかしてやりたい気持ちがあった。
けど。やっぱり今の自分では限界があって、きっと一人ではどうにも出来なかった。
そんな複雑な気持ちを抱きながらもお礼を述べると、最高責任者が言った。
「何を落ち込んでいるんですか?」
「!……え?」
「"自分には力がない"と、謙遜する必要はありません。全て上手く行ったのは、復帰してから今日まで、君が精一杯頑張っていたからです」
そう言う最高責任者は、まるで俺の心境が分かっているようだった。
「君はしっかりと自分の決意を示しました。
だから私も、最高責任者として手助けをしようと思ったんです。
……見事な、交渉でしたよ」
「最高責任者……っ」
「まるで、若き日のヴァロンが居るようでした」
振り向いて、微笑んでくれる最高責任者。それを見て、胸が熱くなる。
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