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第3章 (3)シュウside
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【シュウ13歳】
リディアとヴァロン。
二人が並んでいる姿はとても綺麗だった。
一緒に組手をして以来、私達はよく三人で行動していて、組手以外の勉強にも共に励んだ。
私とヴァロンは全ての能力において常に同じ位で、この頃になると、チビだったヴァロンが私と同じ目線になった。貧弱だった身体にも、バランスのいい筋肉がついて……。
ーー私はなんだか、彼と一緒に着替える事に違和感を覚え始めた。
時々ヴァロンを、直視出来ない自分がいた。
そんなある日。
「じゃ、行ってくるわ!二人共、私が留守の間も鍛錬しておくのよ~!」
暫くの長期任務に向かうリディアが、私とヴァロンにそう挨拶すると隠れ家の広場を颯爽と歩いて行く。
この時リディアは25歳。
大人の魅力を増した彼女はますます綺麗で。フワッと香るいい匂いにも、ドキッとした。
彼女を見ていると自然とほころぶ表情。私は、リディアに恋をしていた。
……。
ーーそう、思っていた。
ヴァロンの表情を、見るまでは……。
「やっぱり、リディアは綺麗だね。
……。?……ヴァロ、ン」
私は、隣にいるヴァロンを見た。
「!!ッーー……」
その瞬間。
今までにない位、鼓動が高鳴った。
ヴァロンの……。リディアの背中を見つめる、瞳と表情。
獲物を狙う豹の様に強い眼差し。
けれど、優しくて切ない輝きを持つ瞳。
熱を帯びた何処か色っぽい、すっかり大人になった表情。
息を飲む程……。彼を美しいと思った。
リディアとヴァロン。
二人が並んでいる姿はとても綺麗だった。
一緒に組手をして以来、私達はよく三人で行動していて、組手以外の勉強にも共に励んだ。
私とヴァロンは全ての能力において常に同じ位で、この頃になると、チビだったヴァロンが私と同じ目線になった。貧弱だった身体にも、バランスのいい筋肉がついて……。
ーー私はなんだか、彼と一緒に着替える事に違和感を覚え始めた。
時々ヴァロンを、直視出来ない自分がいた。
そんなある日。
「じゃ、行ってくるわ!二人共、私が留守の間も鍛錬しておくのよ~!」
暫くの長期任務に向かうリディアが、私とヴァロンにそう挨拶すると隠れ家の広場を颯爽と歩いて行く。
この時リディアは25歳。
大人の魅力を増した彼女はますます綺麗で。フワッと香るいい匂いにも、ドキッとした。
彼女を見ていると自然とほころぶ表情。私は、リディアに恋をしていた。
……。
ーーそう、思っていた。
ヴァロンの表情を、見るまでは……。
「やっぱり、リディアは綺麗だね。
……。?……ヴァロ、ン」
私は、隣にいるヴァロンを見た。
「!!ッーー……」
その瞬間。
今までにない位、鼓動が高鳴った。
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