【R18】夢の言葉と虹の架け橋【続編①】

第４章 （１）アカリside

１-５

「……この人が、由来なのかな？」

複雑な心境。雑誌を持つ手が微かに震えた。

……でも、知りたい。

ごくっと唾を飲み込み。ゆっくりと、私はプロフィールを読み進める。


”リディア。
夢を届ける妖精と呼ばれていた夢の配達人。
女性でありながら19歳という若さで下剋上を成功させ、白金バッジに昇格。
その美しい美貌に兼ね備え文武両道の彼女は人気も実力もNo. 1だったが、28歳という若さでこの世を去る。
そして……。”


「っ……その夢は。彼女の弟子である、ヴァロンが……引き継ぐ？」

彼女の、弟子ーー？
リディアさんは、ヴァロンの……師匠？
ヴァロンが白金バッジを取得したのは、亡くなったリディアさんの白金バッジを継承したから？

次第に明らかになっていく、自分の知らない事実。

次のページを、めくった。


「！……可愛い。
これ、ヴァロンの子供の時……？」

無邪気に笑うリディアさんが、そっぽを向いた不機嫌そうな幼少期のヴァロンを無理やり写真に誘った感じの一枚。
美しい二人は、まるで姉と弟のように見える。


「仲が、良かったんだね……」

ほんわかした写真。


ーーでも、だんだん……。
ページをめくる毎に成長するヴァロンを見ていくと……。私は何故だか胸が、締め付けられていく。

最後の、ヴァロンが15歳の時の写真なんて……。もう、一人の美しい男性で……。
すっかりリディアさんと身長が同じ位になって並ぶ二人は……。理想の美男美女の、カップルのようだ。

……もう、姉と弟になんて。師匠と弟子になんて、見えない。