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第6章 (2)アカリside
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しおりを挟む帰ろうとしたシュウさんを私が玄関にまでお見送りに行くと、カチンッと鍵が解除されて、玄関の扉がガチャッと開いた。
「!……えっ?シュ、シュウ」
「!っ……ヴァロン」
帰宅したヴァロンと、帰ろうとしたシュウさんが鉢合わせ。
「ヴァロン、おかえりなさい。
シュウさん、連絡が取れないって心配して来てくれたんだよ?」
気まずそうにしているシュウさんに代わって、私は状況を説明した。
するとヴァロンは、自分が持っている仕事用具の入った鞄を漁る。
「……わりぃ。壊した、みたいだわ」
ヴァロンがそう言ってシュウさんに差し出したのは、いつも連絡を取り合っている通信機。
そっか、それで連絡が取れなかったんだ。
二人のやり取りを見て、私は一安心。
「……多分、あん時。
この前任務帰りに鞄を宿の部屋で落としただろ?あれから使ってなかったから……。
気付くの遅くて、ごめん」
通信機を左手で差し出して、ヴァロンは右手で自分の頭をくしゃくしゃしながら言った。
すると。
ヴァロンを見つめていたシュウさんが、通信機に目を落として表情を歪ませる。
「……なんで。
なんで、いつも君が先に謝るんですか?」
シュウさんは通信機を差し出すヴァロンの左手を包むように両手で握った。
「……悪いのは。本当に悪いのは、いつも私なのにっ……」
シュウさんの視線の先は、ヴァロンの左手首の……包帯。
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