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第7章 (2)ヴァロンside
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しおりを挟む「っ……その人は、恋人じゃないんだろ?
す、好きでもない人と……間違った事をしちゃダメだッ!」
真っ直ぐな、ギルバートの言葉。
ーーそうだな。
ギル、お前の言ってる事は正しい。
けど、それは……。
愛する人がいて、愛されて……。愛する人と、幸せになれた奴だけが言える台詞だろ?
「……おめでたい奴だな」
俺はフッと笑って、掴んでいたギルバートの胸倉を放した。
勿論、俺がその夜リディアの家に帰る事はなかった。
でも、ギルバートに言われた言葉が頭から離れなくて……。俺はその日から女の家には行かず、シュウの家に泊まっていた。
シュウは俺の触れてほしくない事には、決して口を挟まないでいてくれる。当時の俺の、唯一居心地の良い場所だった。
……
…………。
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