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第7章 (4)ヴァロンside
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しおりを挟む「っ……ふざけんなよ……」
俺の瞳から溢れ出す、涙。
ポタポタ、ポタポタ……。まるで雨粒の様に床に落ちる。
「俺がッ……。そんなモン欲しくてこんな事っ……。
あんたを抱いたと、思ってんのかっ……?」
今まで、泣いた事なんて……なかった。
だって、期待しても無駄だって……分かってたから……。
別に絶望も、希望もない。
そう、何も……ない。
希望もないから、絶望も……ない。
俺は、空っぽだった。
「……欲しくねぇ。
そんなモン、欲しくねぇよ……っ」
リディアに出逢って、やっと見付けたと思ったのに……。俺の夢は、叶わない。
「……何が、夢の配達人だよ」
俺は左胸に付けていた金バッジを、グッと握り締めてむしり取るように外した。
「……馬鹿馬鹿しくて、やってらんねぇ」
金バッジを握っていた手から力が抜けて、カツーンッと……。床に落ちて転がった。
人に夢を届けて。
みんなを幸せにして。
じゃあ、俺の夢は誰が叶えてくれるの?
俺は俯いたまま、リディアの家を出た。
……
…………。
外は雨だった。
俺があんな事したからだ。
リディアとの想い出は、いつも雨の後は虹が出てたのに……。
ーーもう、見れない。
俺にはもう、決して見る事の出来ない景色だった。
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