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第7章 (4)ヴァロンside
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しおりを挟む「……そうですか。
ヴァロン、お疲れ様でした」
俺の背中をポンポンッと叩いて、シュウはそう言った。
俺がいつも任務から帰ってくると、「お疲れ様でした」ってシュウは言ってくれた。
いつもと同じ口調で、この日もシュウは俺に言ってくれた。
「……充分ですよ。一度諦めた私の夢を、ヴァロンは叶えてくれた」
勝手に夢の配達人を辞めた俺を……。バッジを捨てた俺に、変わらないでいてくれた。
「っ……叶えて、ねぇじゃん。
白金、バッジ……なれな、かったッ……」
「バッジなんて、関係ありません。ヴァロンのお陰で、私は今……生きています」
俺の言葉に、シュウは首を横に振って……。自分の心臓の音を聴かせるように、俺の頭を胸元で抱き締める。
「生きていれば、喜びや楽しい事がある。生きてさえいれば、幸せだと思える。
教えてくれたのは、ヴァロンです。私にとっては最高の夢の配達人なんですよ?」
トクンッ、トクンッ……って。シュウの鼓動が伝わってきて、まるで俺の心臓を一緒に動かしてくれてるみたいだった。
「……一緒に見付けに行きませんか?」
「……。何を……?」
呟いた俺から少し離れて、シュウが顔を覗き込んで微笑む。
「新しく、一緒に出来る事です。
無断で夢の中断して悪いと思ってるなら、別の事でまた私をワクワクさせて下さい」
そう言ったシュウは、俺の手を引いて……。再び歩き出した。
「”ヴァロンにしか出来ない事”でしょう?それまで、死ぬのはなしですよ!」
シュウの言葉が、止まりかけていた俺の心臓を……。動かしてくれた。
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