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第8章 (2)アカリside
2-1
しおりを挟む静かな丘の上の墓地。
風が吹いて、フワッと少女から花の香りがした。
「……と、言いましても。私もリディアとは実際に話した事がありません。
母がリディアの亡くなった病院の看護の仕事をしていて……。託されたんです」
少女はそう言うと、私の手に手紙をキュッと渡した。
「……読んで下さい。リディアが貴女に遺した手紙です」
「!……リディアさんが、私にっ?」
少女の言葉に、私は手紙の封筒を見た。
そこには、表の宛名には確かに私の名前。
そして、裏の差出人は……リディアさんの名前。
「っ……な、なんで?」
心臓がドキドキと鳴り響く。
「!……もしかして。リディアはアカリさんに会った事があるのかも知れません」
手紙を呆然と見つめる私に、シュウさんが言った。
「リディアとギルさんの奥さん。アカリさんのお母様は親友でした。
多分、時々。リディアはギルさんの家に遊びに行っていましたよ」
「……。会った事が、ある?」
まさか、の共通点。
でも、その可能性はシュウさんの話からすると充分にある。
私は、チラッとヴァロンを見た。
リディアさんのお墓を見ていたヴァロンが、私の視線に気付いて……微笑んだ。
「……読んで、みるね」
「……うん」
私の言葉に頷くヴァロン。
私は封筒を丁寧に開けると中身を取り出した。
中から出て来たのは手紙と……。更に封筒に入った、手紙?
それには宛名も書かれていない。
誰への物なのか分からない私は、ひとまず私に宛てられた手紙を読むことにした。
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