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番外編 秘密の約束〜ギルバートside〜
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【ギルバート22歳/港街】
「あ!ギル、ちょっと待って!」
自宅のある隣町に帰ろうとする僕を、同僚のリディアさんが呼び止めた。
「久々に自宅に帰るんでしょ?私も行ってもいい?
サヤとアカリちゃんに会いたいし!」
そう言ってリディアさんは微笑む。
僕の妻のサヤさんとリディアさんは親友で、彼女は時々僕の家に遊びに来ていた。
特に娘のアカリが産まれてから、”癒される”と言って頻繁に来るようになったけど……。
多分、よく来る原因は……。
「いいですよ。
サヤさんもきっと喜びます。
……。けど、ヴァロン君はいいんですか?」
ヴァロン君。
その名前を出すと、いつもはポーカーフェイスのリディアさんの表情が変わる。
「……いいの。
どうせ、帰って来ないんだから」
同居していた弟子のヴァロン君が現在家出中。
これがきっと最近よく家に来る原因だ。
平然を装っているけど、リディアさんはヴァロン君が家出をしてから明らかに元気がない。
二人が揉めた詳しい原因は分からないけれど、似た者同士のリディアさんとヴァロン君。
きっとお互い意地を張っているだけだ。
「反抗期、ですかね?
ヴァロン君背も伸びて、一気に格好良くなっちゃったから」
「……まだまだガキんちょよ。
あ~あ、やっぱり……男なんて嫌い」
ガキんちょ。
と、言いながら”男なんて嫌い”。
完全にヴァロン君を男として見てるじゃないですか……。
……とは、言えず。
とりあえず、僕はリディアさんと自宅のある隣町へ急いだ。
「あ!ギル、ちょっと待って!」
自宅のある隣町に帰ろうとする僕を、同僚のリディアさんが呼び止めた。
「久々に自宅に帰るんでしょ?私も行ってもいい?
サヤとアカリちゃんに会いたいし!」
そう言ってリディアさんは微笑む。
僕の妻のサヤさんとリディアさんは親友で、彼女は時々僕の家に遊びに来ていた。
特に娘のアカリが産まれてから、”癒される”と言って頻繁に来るようになったけど……。
多分、よく来る原因は……。
「いいですよ。
サヤさんもきっと喜びます。
……。けど、ヴァロン君はいいんですか?」
ヴァロン君。
その名前を出すと、いつもはポーカーフェイスのリディアさんの表情が変わる。
「……いいの。
どうせ、帰って来ないんだから」
同居していた弟子のヴァロン君が現在家出中。
これがきっと最近よく家に来る原因だ。
平然を装っているけど、リディアさんはヴァロン君が家出をしてから明らかに元気がない。
二人が揉めた詳しい原因は分からないけれど、似た者同士のリディアさんとヴァロン君。
きっとお互い意地を張っているだけだ。
「反抗期、ですかね?
ヴァロン君背も伸びて、一気に格好良くなっちゃったから」
「……まだまだガキんちょよ。
あ~あ、やっぱり……男なんて嫌い」
ガキんちょ。
と、言いながら”男なんて嫌い”。
完全にヴァロン君を男として見てるじゃないですか……。
……とは、言えず。
とりあえず、僕はリディアさんと自宅のある隣町へ急いだ。
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