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(6)リディアside
6-1
しおりを挟むーーえっ?
すぐに離れた唇。
驚きで目を見開く私を、ヴァロンが真っ直ぐ見つめてた。
「……もう。
下手くそなんて言わせねぇから……」
そう言ったヴァロンに抱き寄せられて、唇をついばむように何度か口付けられた。
彼の舌先が私の唇をなぞって……。そのまま深く、熱い口付けが繰り返される。
「っ……!
んッ……ダメッ、ヴァロン!やめッ……!」
私は必死で彼の胸を手で押した。
嫌じゃない。
本当はこのまま身を委ねたい。
……けど、そんな事許される筈がない。
これ以上、この子を私の私欲で汚せない。
私達は師匠と弟子。
そう何度も心の中で言い聞かせた。
でも、心の叫びとは反対に……。
私の身体はヴァロンを求めて熱くなっていく。
息が乱れて、熱い吐息を漏らす私を……。
ヴァロンは口付けたまま抱き上げると、そのまま私の部屋に運びベッドに組み敷いた。
「!っ……ダメッ!ヴァロ、ンッ!」
抵抗する私の両手をヴァロンは簡単に片手で押さえ付けて……。
私の脚の間に自分の膝を割って入れた。
片手で脱がされて行く衣服。
露わになった部分に彼の柔らかい唇が、熱い舌が触れてゾクゾクと快感が走る。
っ……ダ、メッ!
私なんてっ、抱いちゃ……ダメッ。
ヴァロンには、本当に心から愛し合える人と幸せになってほしかった。
心の通わせられない相手とのセックス。
そんな虚しい行為を、繰り返してほしくない。
「やっ……!やめッ、て!
やめなさいっ!ヴァロンッ……!!」
私は、力を振り絞って叫んだ。
精一杯の、抵抗。
これ以上間違った道に彼を進ませたくない。
そんな願いを込めた。
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