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(6)リディアside
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…………。
翌朝。
目を覚まして、脱ぎ散らかした衣服を纏うヴァロン。
何も言わず立ち去ろうとした彼を、私は呼び止めた。
「……。
これを持っていきなさい、ヴァロン」
ゆっくり、顔だけ振り向くヴァロンに……。
私はベッドから上半身を起こして、白金バッジを掌に乗せて差し出した。
「……私の、負けよ」
立派になった貴方に、受け取ってほしい。
一人の男として、夢の配達人として……。
ヴァロンを認めた証。
……。
でも、私は知らなかった。
また自分の気持ちばかりで……。
ヴァロンの気持ちに、気付いていなかった。
「……ククッ。ははっ……」
ヴァロンが、笑った。
渇いた、哀しい、笑い……。
「っ……ふざけんなよ……」
声を震わせるヴァロンの瞳から溢れ出す……涙。
ポタポタ、ポタポタ……。
まるで雨粒のように床に落ちた。
「俺がッ……。
そんなモン欲しくてこんな事っ……。
あんたを抱いたと、思ってんのかっ……?」
悲痛の、叫び声。
初めて見る、ヴァロンの涙。
「……欲しくねぇ。
そんなモン、欲しくねぇよ……っ」
それはヴァロンが、今まで隠してきた私への……。
気持ちだった。
私と同じように、なかなか素直になれず……。
ずっと、言葉に出来なかった……想い。
この時、私はやっと気付いた。
ヴァロンが、私を……愛してくれていた事に。
師匠と弟子ではなく。
家族としてでもなく。
私を一人の女性として、見てくれていた事に。
……
…………。
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