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(8)リディアside
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しおりを挟む「っ……」
思わず、ドキンッとした。
その瞳、色は全く違うのに……。
「……ヴァロン」
見つめられると、キュンッとときめく不思議な輝き。
大好きな彼と、同じ瞳。
「……。いい瞳ね。
その強い眼差し。忘れちゃダメよ?」
ヴァロンに初めて逢った時を思い出して、私はユイに微笑んだ。
ユイ、強く生きてね。
例えどんな事があっても、何度泣いてもいいから美しい心を手放さないで……。
寂しい時は、俯かないで空を見上げて?
例え孤独を感じても、独りだと思わないで?
世界は広い。
この大空の下に、いつか貴女が出逢える大切な人がきっといるから……。
お母さんはね、ちゃんと出逢えたよ。
格好良くて、優しい。
理想の王子様に。
綺麗で、眩しくて。
傍にいると、溶けちゃいそうだった。
ユイのお父さんは、とても美しい心を持った人だったのよ。
……。
だからユイも美しい心で、お父さんの幸せを祈ってあげてほしい。
例え傍にいられなくても、貴女を愛していないなんて思わないで……?
いつか会えたら。
ううん、絶対にお父さんに会えるから……。
その時は、お母さんの代わりに聞いてくれない?
”貴方は今、幸せですか?”って……。
二人が笑顔で会える日を、お母さんはずっと楽しみにしてるから……。
大空の下で、しっかり生きて下さい。
【虹の雫-終わり-】
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