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第7章(1)紫夕side
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しおりを挟む俺が駆け付けるまでに、何かされたかーー?
いや。
それならば、一度風磨が倒れる前に怒りを露わにしていただろう。
サクヤがおかしくなる前、何があったーー?
俺は必死に思い返した。
そして、思い出した。
……まさか。"恐竜のぬいぐるみ"?
思い付いたのは、風磨の風乱によって斬り裂かれた、サクヤが大事にしていた恐竜のぬいぐるみ。
それが、今サクヤがおかしくなっている原因ーー?
そこまで考えが行き着いた瞬間、俺の頭に浮かんだのは……。龍の涙を手に入れる際に、風磨がスノーフォールの赤ん坊を目の前で斬り裂いた光景。
ーー……まさか!!
「スノーフォールの意志が……サクヤの身体に宿って……、……」
聞いた事がある。
人間でも移植手術に使った臓器によって、その臓器の持ち主だった人間の人格やらを引き継ぐ可能性がある、と……。
雪を目覚めさせる為に使った、親のスノーフォールの部位。それによって、まさかサクヤも……。
その可能性は、信じられない事のようだが今の俺には否定出来なかった。
何故なら怒り状態の、サクヤの真紅の瞳の中には、何処か悲しみが滲み出ているような気がしたからだ。
我が子を想う、計り知れない強い怨念ーー。
それを、強く感じる。
もしも、それが本当に今目の前で起きている事の発端なのなら……。罪を受けるのは風磨ではなく、雪を目覚めさせたいと願った自分だ。
……やっぱ、俺は色々間違ったな。
そう思って漏れる苦笑い。
雪が倒れて目を覚さなかった時、一緒に死のうとも考えた。
けど、もう一度会いたい、話したい、笑顔見たい、って欲が出た。
雪、ごめんな……。
その欲が、雪の種族を苦しめて、辛い想いをさせて、泣かせている。
謝って許される事ではない。
雪の目覚めと引き換えになった四つの生命を忘れずに、雪を……。サクヤを大切にして生きて行こうと思ったが、それはただの自己満足。
犠牲にされたスノーフォールからしたら、
「そんな懺悔はいらない。私の子を返せーー!!」
そう、言っているように感じた。
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