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第8章(4)雪side
8-4-5
しおりを挟む胸がドキンッと大きく音を立てる。
密着してる部分が熱くなって、胸と下腹部がキュンと締め付けられる。
「危ねぇ~危ねぇ~」って紫夕の声が耳元でくすぐったく響いて、オレの身体が馬鹿みたいに素直に反応する。
っ、……なに、考えてるんだよッ。
自分を思いっきり、引っ叩いてやりたくなった。
何も出来ないクセに……。紫夕に抱かれたって何の未来も残せないクセに、彼を欲しがる身体と心がものすごく汚く思えた。
……消えてしまいたい。
大好きな彼に触れられる度に溢れ出す性欲。
欲情する自分を、もう浅ましい、ただ本能のままに生きる人間ではない生き物のように思えて……。オレはもう、消えてなくなりたかった。
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