スノウ2

☆リサーナ☆

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第9章(5)雪side

9-5-3

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「っ、痛い……」

「これ位で痛いとか言うな雑魚ザコ
……ホラ、騒ぎになる前に行くぞ」

咄嗟にデコピンされた額に手を当てると、響夜きょうやはオレのもう一方の手を取って歩き出した。

ーー……っ。

驚いた。
手を、繋いでくれるなんて思わなかった。

手、結構大きい……。
それに、あったかい。

手袋越しから伝わってくる温もりは、じんわりとオレを暖めてくれた。
すると、マイナスな事ばかり考えて思い詰めていた心が、いつの間にか冷静になっている事に気付く。

……なんか、不思議。

嫌な感じが全然しない。

「……。
ねぇ、何で……助けてくれたの?」

手を引かれて歩いていたオレは、顔を上げて響夜きょうやの背中を見つめながら尋ねた。

「オレの事、嫌いなんじゃないの?」

すると響夜きょうやは、そのまま歩きながら答える。

「……お前、馬鹿か?」

「え?」

「僕が善意でお前を助けると思うか?
親父に命令されて助けて、このままお前を親父に渡す、って考えはないのかよ?」

「あ、……そっか」

言われて初めて、その可能性が1番高い事に気付いた。

このまま橘さん父さんの元に連れて行かれるーー……。

確かに、以前まえ響夜きょうやにならそう感じただろう。けどーー……。

「ーーでも。違うよね?」

「……」

「今は、そんな事考えてないでしょ?」

これも魔物の血の影響なのか、勘が鋭くなってる気がした。
響夜きょうやがオレをどう想っているのか分からないが、少なくとも今は、敵意を全く感じなければ、嫌われている、とも感じない。
じっと背中を見つめていると、急に響夜きょうやが立ち止まった。
あまりに急だったからオレの身体が追い付かなくて……。そのまま響夜きょうやの背中に顔からダイブ。
また「何やってんだ雑魚ザコ」とか「グズ」って怒られると思ったが、響夜きょうやは意外にもそんなオレを支えてくれると、振り返って言った。
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