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番外編 響夜side
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しおりを挟む「!っ、……誰?」
その声に、ビクッとまた動きが止まってしまう。
咄嗟にナイフを拾い、その場から逃げ出そうとしていたのに……。僕は、その声に目を向けてしまうんだ。
まるで、この声に呼ばれるのを待ち望んでいたかのようにーー……。
瞳が重なった瞬間には、きっともう、この手に入れてしまった心から逃れる事は不可能だった。
暫く見つめ合っていると、指で涙を拭ったサクラが微笑みながら口を開く。
「響夜、君?」
「っ、え……?」
「橘さんの息子さんの……。そう、でしょ?」
「……っ」
そう、優しい声と表情で尋ねられて、何て答えていいのか分からなかった。
幸い、落としたナイフはすぐ様回収して懐に隠したから、自分が暗殺目的でここに来た事は悟られていない筈。
だが、言い訳が見つからない。この時ばかりは、何も出来ない人間の子供と同様だった。
そんな僕に、サクラはゆっくりと歩み寄ってくると視線を合わせるように屈んで、また微笑った。
この時に思ったよ。
サクラに、戦闘能力なんて必要ない。その姿と笑顔で、相手の殺意など消してしまえるのだから……。
「初めまして、私はサクラ。
橘さんから話を聞いて、ずっと会ってみたかったのよ」
これが、僕とサクラの出逢いだった。
……
…………。
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