スノウ2

☆リサーナ☆

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番外編 響夜side

1-6

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***

そして、サクラは無事に出産した。
身体があまり丈夫ではない、と聞いていたから、他の研究者や医師達から「安産で母子共に健康」と聞いた時は心から安堵した。

けど、僕がサクラと子供に会いに行くまでには暫く間が空いた。
理由は二つ。
一つは、出産直後は親父が何かとサクラの元を訪れていた事から、鉢合わせするのを避ける為。
もう一つは、母親になったサクラを見たくなかったんだ。


そんな理由から、様子が気になりながらも月日が過ぎて……。結局、僕がサクラの元を訪れたのは出産してから三ヶ月後の事だった。
なかなか訪れなかった僕を、サクラは少しも責めたりせずに、以前と変わらない笑顔で迎えてくれた。

しかし。
そんな彼女を目にした僕は、この日まで訪れなかった事を心の底から後悔した。
子供を生んで変わってしまうと思ったサクラが、最初に出逢った時と同様、良い意味で僕の想像を追い越していたからだ。
赤ん坊を腕に抱いてベッドに座り、優しく微笑む彼女はまさに聖母そのもので……。僕の心を、また一段と掴んでいった。

響夜きょうや君。「咲夜サクヤ」って言うの、よろしくね?
ほら、サクヤ。お兄ちゃんが会いに来てくれたわよ~?」

そして、サクラが大事そうに抱く赤ん坊。
親父に似て目付きが悪く、見るからに悪どい事を考えていそうな自分とは全く違っていて、サクラをそっくりそのまま写し取ったような美しい赤ん坊だった。
どう触れていいのか分からない僕をサクラと同じ薄水色の瞳に映した赤ん坊は、届くはずもないのに短く小さな手を伸ばして来る。

叩いたら、簡単に消せるーー……。

小さくか弱いその存在は、自分からしたら雑魚ザコそのものだった。
……でも。手を近付けてやると、僕の指をきゅっ、と握り締めた赤ん坊が微笑った。
その笑顔を見たら、分かったんだ。

ーー……そっか。
コイツも、戦闘能力なんて必要ないな。

「……僕が護ってやるよ」

「本当?」

「ああ。サクラもサクヤも、僕が護る」

護りたいものが出来たーー。

それは完全に、魔物とは違う人としての心だった。
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