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第10章(2)紫夕side
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しおりを挟む?……なんだ?この子供。
そう思った俺と視線が重なると、一瞬ビクッとした男の子は瞳を更にうるうるとさせながら今にも泣き出しそうな勢いだ。
その様子に俺はギョッとして、とりあえず屈んで目線を合わせると男の子に声を掛ける。
「ど、どうしたんだ?」
「っ、ふぇ……」
「!っ、な、泣くな、泣くな!
何があったのかお兄さんに話してみろっ、なっ?」
咄嗟に頭を撫でてやり、俺は男の子を必死に宥めると話を聞いてみる事にした。
すると、男の子は涙を堪えながら途切れ途切れに話し始める。
「ぱぱと、っ……まま、……い、……なくっ、なっちゃ……ッ」
「あ~……なるほどな」
迷子だ。
これは、誰がどう見ても、聞いても迷子に違いなかった。
っ、参ったな……。
男の子を不安にさせないように表情には出さなかったが、内心俺は焦っていた。
雪を早く助けてやらなきゃいけない俺にとって、正直今、迷子に構っている暇はない。
ここは誰かに託すか、町を巡回している警備員の所まで連れて行って託したい。が、後者の場合は子供を託す際に、自分の身元を尋ねられる場合があるし、下手したら警備員の中には俺が守護神の元隊員である事を知っている奴がいる可能性があった。
突如守護神を抜け、おまけに魔器&車の無断持ち逃げ。
守護神から指名手配の命令が出ていたら、俺は間違いなく捕まる。
それだけは絶対に避けたいーー。
ならば、道行く誰かに託すしかない。
けど、その相手がもしも心無い奴だったら?表面上は優しそうでも、違ったら?
そう思った際、俺の頭の中には幼い頃の雪の事が思い浮かんだ。
引き取られた先で、酷い扱いを受けていた雪の事を……、……。
「ーー……よし!
なら、一緒にパパとママを捜そう!」
そしたら俺は、男の子にそう言っていた。
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