スノウ2

☆リサーナ☆

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第11章(2)紫夕side

11-2-5

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けど、そんな俺に、ゆきが言った。

「その時、一人だけ……。他の人達とは違う人が居たんだ。
討伐して、動かなくなった母さんを、泣きそうな瞳で見つめてくれていた人が、居たんだ」

ーー……え?

「他の人達が討伐を喜ぶ傍らで……。その人は、暫く母さんを見つめた後。目を閉じて、何だか悔しそうな表情かおをしてくれたんだ」

ゆきに言われて、あの日の事を鮮明に思い出す。
突如現れた白龍の討伐。けれど、その任務は俺にとったら不本意だった。
何故なら、その白龍は全く攻撃的ではなくて……ただ、その場に佇んでいただけ……、……。
新しい魔器マギ開発の為に珍しいスノーフォールを狩れ、と言う上からの命令で動いた。が、俺にはその白龍が、そこで何かを護っているだけのような……。そこに、意味があって、居るような気がしたんだ。

……今、やっと、分かった。
ゆきの話を聞いて、全てが繋がった。

魔物化したサクラさんは、龍の姿になっても、ゆきを護ろうとしてたんだーー……。

村に残して来たゆきを……。いや、物陰から見ていたゆきの存在に気付いていて、ゆきが誰にも見付からないように……。全ての注意を自分に引きつけていたんだ。

今更ながら、あの日の全ての真実を知って、俺の瞳から自然と涙が溢れ出していた。
ゆきは、抱きついていた身体を少し離すと、頬に流れた俺の涙にそっとキスして言った。

「母さんの死に心を痛めてくれて、ありがとう。
母さんの為に、涙を流してくれて、本当にありがとう」

そして、ゆきは、微笑って俺に言う。

「オレ、あの時、思ったんだ。
自分もいつか魔物化して、誰かに殺される運命なら……"あの人に、殺してほしい"って」

「っ、……」

そう言って微笑むゆきは、ものすごく綺麗で……。でも、瞳だけはとても強くて……。
その、全てを受け入れて、決意を固めたような姿に、俺はすぐに言葉を返せなかった。
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