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第11章(3)雪side
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しおりを挟む今なら、まだ隙間に蹲って生きているかも知れないーー!!
諦めたくなくて。紫雪の事を見捨てるなんて出来なくて、オレは何とか紫夕を振り解こうともう一度力を込めようとした。
でもその時、オレの耳に微かに聞こえた「みゃ」って短い鳴き声。それは一瞬だが、間違える筈のない、紫雪の鳴き声だった。
「っ、……紫雪」
「え?」
「今、鳴き声が聞こえたんだ!」
オレは紫夕にそう言うと、鳴き声が聞こえた方向に目を向けた。そこは、家が崩れた瓦礫ではなく、家の外にあった茂み。
オレは一瞬の隙をついて紫夕の腕から抜け出すと、鳴き声の聞こえた茂みに駆け寄った。
そして、地面に這いつくばりそっと茂みを手で退けると……。目に映る白と黒の毛並み。紫雪はその中で、身を縮めていた。
パッと見だが、怪我をしている感じではない。
良かったーー……。
「紫雪、良かったぁ……。
ほら、こっちにおいで?もう大丈夫だよ?」
心の底から安堵して、オレは紫雪に手を伸ばして胸に抱こうとした。
けど、手で触れた俺が抱き寄せようとするとーー……。
「!っーー……いたッ」
「シャーッ!」って威嚇して暴れた紫雪に、思いっきり頬を引っ掻かれた。
余程怖かったのだろう。すっかりパニックになっている紫雪は、オレの腕の中で暴れ続けて、手や腕をバリ掻いたり、噛み付いたりしてくる。
「!っ、雪!大丈夫かっ?!」
放して逃してしまったら、もう絶対に捕まらないと思って必死に抱き締めていると、自分の上着を脱いだ紫夕がそれで紫雪を包み込んでくれて……。何とか、紫雪は落ち着いた。
その後。
「必要な物だけ見付けてくるから車ん中で待ってろ」って、紫夕は危険な瓦礫の中を探索してくれて……。オレはその間、紫雪と車の中で待っている事しか出来なかった。
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