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第15章(1)紫夕side
15-1-1
しおりを挟む人間と魔物が共存出来る世界を創るーー。
俺がそんな夢を抱いてからの、新しい毎日が始まった。
「雪、ごめんごめん!もう少しだけ我慢してくれ」
手を合わせて謝る俺の目の前で、空腹の雪がじっと見つめて威圧をかけてくる。その瞳や表情は「ご飯はまだか!」と、どう見ても怒っていたが、俺は負けないように必死に耐えた。
心が痛む。
けれど、魔物の事を色々知る為に、まずは身近な雪に色々と協力してもらうより他に俺には手立てがなかったんだ。
夢の実現第一歩の為に、魔物の生態や習慣をよく知る事ーー。
今は、どの程度我慢が出来て、どの位空腹になったら獲物を襲ってしまうのか、を調べていた。
魔物が人を襲う条件には、縄張りの事、普段目にしない奴が現れた事からの防衛反応……。など、色々な事も考えられるが、やはり1番は食欲が関係しているだろう。
生き物の三代欲求の一つだからな。
そんな訳で、雪には悪いが只今ご飯をお預け中。
でも、そろそろ限界っぽいなーー……。
始めは、飯の欲しさから甘えておねだりしてきて、その次に「キュウキュウ」鳴き出して……。そして今、目付きが鋭くなってきていた。無言だし、明らかに不機嫌。
そんな姿を見ていたら俺も段々と辛くなってきて、今回の検証はここまでにする事に。
「っ~~……悪い悪い!
雪!ホラ、食べていいぞ~!」
これ以上お預けしたら絶対に嫌われるーー。
そう思った俺がひとまず干し肉を差し出すと、雪は瞬時に反応してかぶり付いた。
ガツガツ具合がいつもよりすごい。
やっぱ、24時間に一度は満腹にしてやらないとダメだな。
イライラさせないようにするなら、一度に一気に喰わせないで、1日二回に分けてあげるのもアリか……。
そんな感じで、雪と生活しながら少しずつ魔物の事を学ぶ日々。
しかし、これはあくまで今の雪の事だし、将来スノーフォールの姿に変わってしまった時に役立つのかは正直分からない。
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