スノウ2

☆リサーナ☆

文字の大きさ
上 下
317 / 589
第16章(2)雪side

16-2-3

しおりを挟む
***

そして、翌日ーー。

紫夕しゆうは朝ご飯を食べると、お仕事に出掛けて行った。
朝起きてから出掛ける寸前まで、

「いいか、ゆき
無理せずに寝てる事!あと、一人で外に出るなよ?誰かが訪ねて来ても、絶対に扉開けちゃダメだからなっ?」

って、何度も何度も言われた。
もう子供じゃないのに、と。正直、過保護過ぎな気もするが、たくさん心配をかけてしまっているから仕方ない。
オレは、このコテージを建てた町長さんが置いていったらしき本を本棚から何冊か拝借すると、ベッドで読書しながら紫雪しせつとのんびりまったり過ごす事にした。

……
…………しかし。

「……。ふぅ~」

さすがに、飽きてきちゃったなぁ……。

本をベッドの側にある棚に置いて、壁に掛かっている時計を見ると14時頃。
今日は体調が良い方だからか眠くもならないし、そうなるとベッドで何時間の読書もいくら好きでも辛いものがあった。

……外、良い天気そうだな。

ふと、窓の方を見ると今日も薄いレースのカーテンから眩しいばかりの陽射しが溢れている。
気持ち良さそうな外の様子に、カーテンと窓を開けたくなる。
でも、「いつ守護神ガーディアンの奴らが来るか分からねぇ。窓際にも近付くな」って、紫夕しゆうに注意されていた。

……。
何か、飲もうかな……。

ベッドから降りて、キッチンにある冷蔵庫に向かう。扉を開けて中を覗くと、紫夕しゆうがオレの為に買って来てくれた、小瓶に入ったたくさんの果汁100%のジュースが並んでいた。

もうっ、こんな高そうなやつばっかり……。

そう思いながらも、自分の事を考えながら買って来てくれた紫夕しゆうの姿を思い浮かべると、嬉しくて笑みが溢れる。
きっと、どれがいいか悩んだけど結局決まらなくて、あれもこれも、って買って来てくれたのだろう。

今日は、柑橘系にしようかな。

オレは柚子ジュースを手に取ると、ベッドの方に戻ろうと足を進めた。
しおりを挟む

処理中です...