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第18章(2)紫夕side
18-3-1
しおりを挟む雪の奴、何でよりによってあんな事言うんだよーー……。
日雇いの仕事最終日。
今日の仕事は、俺の借りているコテージや職人達が住む町からは少し距離がある場所だった。
だから、俺は職人が運転するトラックの荷台に乗せてもらって移動中。
その間、ずっとコテージを出る前に言われた雪の言葉を思い出す。
「……っ、紫夕は……子供、ほしいと思った事……あるっ?」
……雪が子供好きな事は知ってるし、マリィから「俺の子供がほしいくらい、俺の事が好き」って事も、以前聞いた。
けど、あのタイミングであの言葉は禁句だった。尊敬していた親父の実の息子ではない、と知り、また自分に強姦魔の血が流れている事を知った今、俺は自分に流れるこの血に嫌悪感を抱いていた。
故に、自分に子供なんて……。この穢れた血が受け継がれていく、なんて許せなかったんだ。
「……。
俺だって……お前となら、ほしかったよ」
そう本音を呟いて、震える拳を握り締める。
雪を愛して、一緒に過ごして、身体を重ねる度にいつしかそう思ってた。
昔は自分が家庭を持つとか、結婚とか子供なんて想像もしなかったのに……。雪となら、って。
雪に子供が出来たら、きっと俺はそん時から過保護でデレデレで、愛おしくて大切でしょうがなくて……、……。
でも、それはいくら想像しても夢で、叶う事はない。雪は男なんだ。
けど、だからと言ってそれを悔やんでいる訳でもなかった。
雪に噛まれて、不貞腐れるようにコテージを出た昨夜。俺は町へ行って酒を飲み、たまたま居合わせた職人達からタバコを貰って、久々に吸った。
そして、言い寄って来た女に部屋に行こうと誘われた。
正直、気持ちが揺らいだ。
暫くお預けくらってた挙句、雪に拒まれて……。「やらせてくれなかった雪が悪いんだ」って、雪のせいにして、やろうとしたんだ。
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