スノウ2

☆リサーナ☆

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第19章(2)朝日side

19-2-1

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「サクヤは僕が護る。紫夕しゆうさんには渡さないよ」

響夜君この子のこんなに優しく強い表情と眼差しを、私は今まで見た事がなかったーー。

人型魔物を診る医師として、彼が産まれた瞬間から今日まで、何十年にも渡って見てきたと言うのに……。

驚くと同時に、私は羨ましかった。
たちばなさんの息子として。そして、人型魔物と言うハンデやリスクを背負って生きているにも関わらず、大切な人を護ろうとする響夜きょうや君の事が……。

思わずにはいられない。

自分にも彼のような強さがあったら、何かが変わっていたかも知れないのにーー……。と。

……
…………。

それは、もう今から35年以上前の事。
当時19歳だった私は、己の為に大切に想っていた女性を傷付けた。

と、言っても、完全な片想いだった。
優しく丁寧な受け付けに、的確な指示でオペレーター業を熟す彼女は、守護神ガーディアンで働く者の憧れの存在。特に男性には一目置かれる注目の的だった。

望月もちづき 紫季しきさんーー。

私より5歳年上のしっかり者のお姉さん。
横結びにしている艶やかな長いロングストレートの黒髪に、漆黒のアーモンドアイ。
白と紺が貴重のビシッとした仕事用の制服が、とても良く似合っていた。

「あ、朝日あさひ君!おはようございます!」

「!っ、……お、おはよう、ございます」

彼女は天真爛漫で、誰にでも屈託なく接してくれた。
田舎の出身で、勉強以外なんの取り柄もない、地味で目立たない私にも……。名前まで覚えてくれて、気付けば必ず声を掛けてくれた。

「この間お借りした本、とっても面白かったです!」

「!っ、ほ、本当ですか?」

「ええ。続きがあったら、ぜひ貸して頂けますか?」

「も、勿論ですっ!」

社交辞令、だとは分かっていた。
けど、自分を真っ直ぐに見つめて、真剣に話を聞いてくれるのが、とても嬉しくて幸せだった。
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