スノウ2

☆リサーナ☆

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第20章(3)紫夕side

20-3-1

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呆然と見つめ合う俺とマリィの間に、落ち葉を乗せた秋風がフワッと吹き抜けた。
その、どこか暖かい風に背中を押されるように俺は口を開く。

「お、前……なんで、ここに?」

するとマリィも、まだ信じられない、と言った表情のまま答える。

「な、なんで……って、お墓参りに……。
だって、この町は……アタシと和希かずき故郷ふるさとだもの」

そう言われて、俺はゆっくり歩みを進めるとマリィの側まで行き、その前にあった墓を見つめた。

和希かずきの墓ーー。

その前で、マリィはゆっくり自分と和希かずきの話をしてくれた。

懐かしい声で紡がれる話。
その話から、色んな事が繋がって分かっていく。
俺にコテージを貸してくれた主人が、マリィの親父である事。
ゆきが連れ去られた事を俺に知らせてくれた亜希あきさんが、和希かずきのお袋さんである事。
そして。ゆきが一緒に遊んだ、と言う子供二人が和希かずきの弟と妹の子である事。

知らず知らずのうちに、引き寄せられていたーー……。

紫夕しゆう!こっちこっち!!」って。
親父が殺された人間不信から、一時期誰とも深い付き合いをしなかった俺を、和希かずきが独りにしないで居てくれた時のように……。

「っ、……」

涙が、ボロボロ溢れた。
全身の力と一緒に心が緩んだように、俺は和希かずきの墓の前で崩れるように両膝を着いた。
そんな、俯く俺の肩をそっと抱きながらマリィが言う。

「……ゆっくりでいいわ。
聞かせて?今度は、貴方とゆきちゃんの事を……」

その暖かい言葉と温もりに、

ようやく、自分の場所に帰ってきたーー。

って。俺は、そんな気がしたんだ。

……
…………。

俺は、マリィに……。
いや、マリィと和希かずきに全てを話した。
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