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第21章(2)雪side
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しおりを挟むやっぱり、優しいのか、冷たいのか……分かんない。
せっかく弥夜君と楽しく過ごしていたのに、響夜の態度に落ち込む自分がいた。
自分に子供がいる事をオレに知られた響夜が、複雑な想いを抱えているなんて、知らなかったから……。
すると、その様子を見ていた弥夜君は一生懸命オレの事を庇おうとしてくれる。
「ゆきさんをおこらないで!
ボクが、おかあさんと……まちがえたの!ゆきさんは、えほんよんでくれたの!だから……」
「っ、うるせぇ!!
……分かったから、さっさと部屋に戻れ。いいって言うまで部屋からでるな。分かったな?」
でも響夜は、ぶっきらぼうにそう言い放って、弥夜君を床に降ろすとこの部屋から出て行くよう身体を押して促した。
弥夜君は「はい」って小さく返事をすると、寂しそうにオレの方を一度だけチラッと見て……部屋から出て行った。
……
…………。
部屋に残ったのは、オレと響夜の二人きり。
響夜には色々と助けてもらったし、赤ちゃんの事で橘さんと話をしてくれる、って言ってたから、今度会ったらお礼を言おうと思ってたのに……。
き、気不味いな……。
久々に会った響夜が、オレの目には不機嫌に映った。
シンッと静まり返った部屋の中。先に動いたのは、暫く突っ立ったままだった響夜だった。歩き出し、オレの横を過ぎてそのままベッドに腰を掛ける。
「……お前も座れ。話がある」
そして、顔だけ振り向いて見ていたオレを、自分の隣の……空いたベッドスペースを叩きながら、響夜が誘った。
ベッドで真隣に座るーー。
その行動に、なんとなく警戒してしまったオレ。
でも、「話がある」と言われて聞かない訳にもいかず、オレは響夜と少し感覚を空けて、静かにベッドに腰を下ろした。
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