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第23章(3)響夜side
23-3-1
しおりを挟む「その言葉だけで充分だーー」
そう言って、僕はサクヤの後頭部を軽く手刀で殴って気絶させた。
気を失って、グラリッと倒れ込むサクヤを抱き留めて、思い出す。
こうする事は、"あの日"から決めていたーー……。
……
…………あの日。
それは、11月の終わり頃だった。
「お腹の子が産まれたら、隙をみて守護神の本部で救護班をやってるマリィって人に託してほしいんだ」
突然、サクヤが僕にそう言った。
「……は?」
「マリィはね、すごく優しいんだ。絶対に……この子が普通の子じゃなくても、差別なんてしないで育ててくれる」
「……。お前、何言ってんだ?」
「あ、心配しないで?オレ、手紙書く。響夜はただそれを渡してくれたらーー……」
「そう言う事じゃねぇ!!」
驚く僕にサクヤは説明しようとしたが、僕が聞きたいのはそんな事じゃなかった。
赤ん坊が産まれたら、他所に託すーー?
そう言い出すサクヤに、色んな感情が浮かんだんだ。
赤ん坊と暮らしたくないのか?とか。
僕はお前が無事に赤ん坊を産んで、一緒に育てていくつもりだったのに、何でそんな事言い出すんだ?
信用ないのか?……とか。
でも。
思わずイラつきを表情に出してしまっていた僕に、サクヤが言った。
「響夜の事を、信用してない訳じゃないよ?オレの為に、一生懸命になってくれてるの知ってる。
……でも。それ以上に、橘さんがこのまま赤ちゃんの事をあっさり見逃してくれるとは、思えないんだ」
「!っ……」
「この間の検診の時ね、珍しく……橘さんが朝日先生の側に居たんだ。
きっと、この子を……狙ってるんじゃ、ないかな?」
サクヤはそう言うと、お腹を撫でながら僕に苦笑いを向けた。
確かに、サクヤの勘は当たっていた。
実は僕も、最近親父が朝日の側にいる事が多い事が気になって、調べてたんだ。
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