スノウ2

☆リサーナ☆

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第23章(4)紫夕side

23-4-1

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響夜きょうやがこの小屋を出て行ってから暫くして、同じ敷地内にある研究所の方から激しい爆発音が聞こえた。

「……よし、行くぞ!」

その爆発音を合図に、意識のないゆきを抱いた俺は、朝日あさひ響夜きょうやの息子である弥夜やよいを連れて小屋を出ると、予め教えられていた隠し通路を通ってこの場からの脱出を試みる。

以前、ゆきを目覚めさせる為にたちばなの味方についていた際に、この研究所には何度も来た。守護神ガーディアンの任務でも何度か調査してるし、周辺の事は把握済み。邪魔さえ入らなければ、抜ける事は簡単だ。
けど、だからと言って気を抜いてはいけない。今はそんな状況だ。

それでも……。
それでも、背後から激しい爆発音や魔物らしき鳴き声が聞こえてくる度に、立ち止まりたい、振り返りたい気持ちでいっぱいになる。
響夜きょうやの事を、思い出して……。

「……頼んだよ。
僕の、大切な……弟なんだ」

嘘つけ、って、言ってやりたかった。
あの声も、表情も、少しもゆきの事を"弟"なんて想ってる感じじゃなかった。

ムカつく。
苛つく。
俺が今、どんなに悔しいか……。響夜お前
には分からないだろうな?


12月の始め、マリィの家で突然に響夜きょうやが現れたあの日から、俺はずっとずっと悔しかった。

「……なんてね。
冗談です。僕が……力を貸します」

そう言う響夜きょうやが、ゆきを大切に想っている事は、以前に町で会った時から気付いてた。……それなのに。

「その代わり、僕の頼みを聞いて下さい」

それなのに、いわゆる恋敵と言われる俺に、響夜きょうやは頭を下げたんだ。
そればかりか、その頼み、とは全てが全て"自分以外の誰か"の幸せを願う頼みだった。

俺には、出来なかった。
ゆきたちばなの元に居る事を察した時も、確信した時も……。たちばなの息子であり、ゆきに想いを寄せている響夜きょうやに頼ろう、なんて思えなかった。
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