スノウ2

☆リサーナ☆

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最終章(1)雪side

24-1-4

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が、紫愛シアはそんな状況を分かっているのかいないのか……。無邪気に「ぱぁぱ~!」と言って、紫夕しゆうの袖を引っ張り、空っぽになった小さな手を差し出して言った。

「もっこ!」

「!っ、紫愛シア……ッ」

「もっこちゃ!ぱぁぱ、もっこちゃ~!」

紫愛シアぁ~!!何でこんなに可愛いんだぁ~!!」

っ、確かに、可愛いーー……!!

紫愛シアをぎゅ~っと抱き締めながらもだえる紫夕しゆうを目前に、不覚にも、オレもそう思った。
最近覚えた、「もう一個ちょうだい」を辿々しい言葉遣いと愛らしい笑顔で言われたら、怒っていたのについつい気持ちが和んでしまう。
しかも紫愛シアは、紫夕しゆう譲りの黒髪に黒色の瞳。写真で見せてもらった、紫夕しゆうのお母さんである紫季しきさんによく似ていた。
つまり、モロにオレの好みの顔立ち。

だが。父親の紫夕しゆうがとんでもなく甘々である以上、ここは母親であるオレがしっかりしなくてはいけない。

「なっ、ゆき?オレの気持ち分かるだろっ?
そう言う訳で、お菓子をもう一個だけ……」

「ーーそれは、ダメッ!
もういい。紫夕しゆうには任せないっ」

オレは紫夕しゆうの手から紫愛シアを奪い取ると、ちょうどこのタイミングで外から帰って来た弥夜やよいの元へ行き、彼に託す事にした。

「おかえり、弥夜やよい

「た、ただいま。ど、どうしたの?何かあった?」

オレの背後で、紫愛シアを奪われて「ゆき~!もう一度チャンスをくれ~!」と嘆く紫夕しゆうを見て戸惑う弥夜やよいも、以前より成長してすっかりお兄ちゃん。日に日に、響夜きょうやに似て行く気がする。
紫夕しゆうが「俺達の息子として育てよう」って言ってくれたお陰で一緒に暮らし始めて、今ではもう、オレ達は誰がどう見ても家族だ。
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