スノウ2

☆リサーナ☆

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番外編①紫夕side

①-5-5

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「ーー……っ、やっぱ、しっかり洗わないと駄目だな」

広場の水道で汚れと格闘すること数十分。
俺は持っていたタオルを水で濡らし、あおいのズボンについた汚れを拭おうとしたが、やはり完璧に綺麗にする事は難しかった。

「本当にごめんな。新しいズボン代、弁償するから……」

「そんな!ほんとにいいんです。今日は広場で遊ぶ、って聞いてたから、汚れても大丈夫な服装で来てたんです。
それにこれ位の汚れ、洗濯機で洗えばすぐに落ちますから!」

頭を下げる俺に、あおいは明るい声と笑顔でそう言ってくれた。
あおいが良い子で本当に良かった。けど、俺はやはり紫愛シアが彼女に対して泥団子を投げつけた事が、ものすごくショックだった。

やっぱり、俺が甘やかして育ててしまったからだろうかーー……?

大事に大事にし過ぎて、少々過保護にしてしまったから自分が1番で、他の人を想いやる心が欠けてしまったのかも知れない。

「……ごめんな。家では、あんな風に物を投げたりする子じゃねぇんだ。
ただ、今まであんまり身内としか過ごさせてこなかったから……その、……」

でも、そう落ち込む俺に、あおいが言った。

紫夕しゆうさん。紫愛シアちゃんは、悪くないですよ?
紫愛シアちゃんは、きっと自分のお母さんの居場所を守りたかっただけなんです」

「ーー……え?」

お母さんの居場所を、守りたかったーー……?

一体、どう言う事だ?と疑問に思う俺に、あおいは話してくれた。俺が飲み物を買う為に、あの場を離れていた間にあった事を……。

聞けば、広場で楽しそうに遊ぶ親子の姿を、紫愛シアがじっと見つめていたそうだ。
手を左右に立つ父親と母親に片方ずつ繋いでもらって、間に居る子供は持ち上げてもらったり、ブラブラとブランコみたいに揺らしてもらったりしていて、とても嬉しそうで……。それを見る紫愛シアの瞳は、あおいから見てとても羨ましそうだったとか。
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