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序章
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ここは水の国の砦。
砦とは、本城とは別に少し離れた他国との境に位置する場所に建てられた小さなお城。
本来は互いの国が力を合わせる為に話し合いをしたり、親睦を深める為に利用する事を目的として建てられた場所。……だった。
けれど。その砦は炎の国の裏切りにより、この日戦場と化した。
歓声、うめき声、叫び声。剣と剣がぶつかり合う金属音、飛び交う矢、燃え上がる炎……。
そんな戦場の一角。
胸から血を流した桃色の髪の女性を、水のように透き通った青色の髪の男が地面に片膝を着きながら抱き起こしており、その様子を少し離れた場所から紅い夕陽色の髪の男が見つめていた。
桃髪の女性も青髪の男もまだ若く、おそらく歳は二十半ば位。紅髪の男に至ってはまだ十代に見えた。
青髪の男は女性がすでに息を引き取っている事を確認すると、その亡骸をそっと地面に寝かせ、立ち上がって、ゆっくり振り返ると紅髪の男に言った。
「結局お前も、あの国王の息子だったな」
亡くなった女性は彼にとって愛おしい人だったのだろう。青髪の男はすさまじい形相で睨み付ける。
対する紅髪の男は、俯いたまま答えない。腰に差した立派な剣を抜く事もなく、無防備にただ立ち尽くしているだけだった。
すると何も答えない事に痺れを切らしたのか、青髪の男は剣を抜き駆け出し、そのやるせない想いの先を紅髪の男目掛けて突いた。
ドスッ……!!!!!
青髪の男の剣が紅髪の男の左胸を貫く。
その光景を目にすれば、きっと誰もが青髪の男の勝利を確信する事だろう。
しかし、その直後。
紅髪の男の身体が紅の光に包まれ、その光は次第に本物の炎と化すると、青髪の男に燃え移っていった。
それは炎の神に愛された神子の力ーー。
燃え上がる火柱の中で断末魔の叫びを上げたのは、剣で胸を貫かれた紅髪の男ではなく、青髪の男の方だった。
……
…………火柱が鎮まり、紅髪の男の身体の光が消える頃。青髪の男は真っ黒で脆い灰となり、ヒュッと吹く軽い風にでさえも逆らえず、飛び散っていった。
ここは水の国の砦。
砦とは、本城とは別に少し離れた他国との境に位置する場所に建てられた小さなお城。
本来は互いの国が力を合わせる為に話し合いをしたり、親睦を深める為に利用する事を目的として建てられた場所。……だった。
けれど。その砦は炎の国の裏切りにより、この日戦場と化した。
歓声、うめき声、叫び声。剣と剣がぶつかり合う金属音、飛び交う矢、燃え上がる炎……。
そんな戦場の一角。
胸から血を流した桃色の髪の女性を、水のように透き通った青色の髪の男が地面に片膝を着きながら抱き起こしており、その様子を少し離れた場所から紅い夕陽色の髪の男が見つめていた。
桃髪の女性も青髪の男もまだ若く、おそらく歳は二十半ば位。紅髪の男に至ってはまだ十代に見えた。
青髪の男は女性がすでに息を引き取っている事を確認すると、その亡骸をそっと地面に寝かせ、立ち上がって、ゆっくり振り返ると紅髪の男に言った。
「結局お前も、あの国王の息子だったな」
亡くなった女性は彼にとって愛おしい人だったのだろう。青髪の男はすさまじい形相で睨み付ける。
対する紅髪の男は、俯いたまま答えない。腰に差した立派な剣を抜く事もなく、無防備にただ立ち尽くしているだけだった。
すると何も答えない事に痺れを切らしたのか、青髪の男は剣を抜き駆け出し、そのやるせない想いの先を紅髪の男目掛けて突いた。
ドスッ……!!!!!
青髪の男の剣が紅髪の男の左胸を貫く。
その光景を目にすれば、きっと誰もが青髪の男の勝利を確信する事だろう。
しかし、その直後。
紅髪の男の身体が紅の光に包まれ、その光は次第に本物の炎と化すると、青髪の男に燃え移っていった。
それは炎の神に愛された神子の力ーー。
燃え上がる火柱の中で断末魔の叫びを上げたのは、剣で胸を貫かれた紅髪の男ではなく、青髪の男の方だった。
……
…………火柱が鎮まり、紅髪の男の身体の光が消える頃。青髪の男は真っ黒で脆い灰となり、ヒュッと吹く軽い風にでさえも逆らえず、飛び散っていった。
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