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第3章
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しおりを挟む「……そっかな?ありがとう」
笑顔を返し受け取った水を飲みながら、私は初めてメルに稽古をつけてほしいと言った時の事を思い出した。
私の申し出にメルは驚いて、最初はすごく反対された。
今よりも子供だった私に、とても分かりやすく戦の事や武器を持つ事の重さを教えてくれて。
そしてそれが誰かを傷付け、命を奪う事になるという覚悟が必要だと……。大切な事をたくさん教えてくれた。
でも頭ごなしに怒るんじゃなくて、メルはちゃんと私の意見も聞いてくれた。
私のクー兄様に対する想いも、聞いてくれた。
子供ながらに一生懸命に語った気持ち。
クー兄様に対するたくさんの想い。
ずっと一緒に居たいけど、今のままじゃいけない。
クー兄様の隣に自分以外の女性がいると想像した時に溢れ出した、気持ち。
子供の言う事だと笑わずに、メルは最後まで聞いてくれた。
そして先生を、引き受けてくれた。
とてもとても嬉しかった。
同じ女性として、私を扱ってくれた。
だから私はどんなに厳しくても辛くても、メルの言う事はしっかり守る。
そう決めて、あれから5年が過ぎたんだよね。
13歳になった私。
クー兄様から見たら、きっとまだまだ子供だけど……。
だけどね、私は分かったんだ。8歳のあの時、クー兄様に感じた想いの名前は……。
「ーーガーネット!ただいま!」
自分の世界に入り込んでいた私の耳に、稽古場を駆けてくる馬の蹄の音が近付いて来たと思うと、いつの間にか馬に跨ったクー兄様が傍まで来ていた。
突然の事で夢か幻のように思ってしまう。
なぜなら黒い愛馬、黒炎に跨って微笑むクー兄様は、座って見上げている私からは光り輝く太陽を背景にして、尚も一層美しく映ったのだ。
「お帰りなさいませ、クウォン様」
ぽ~っと見上げている私に代わってクー兄様に声をかけたのはメル。
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