白き髪のガーネット【改訂版】

☆リサーナ☆

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番外編 クウォンの初恋

1-5

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「……。
私は、ガーネットになりたいです」

黙ったまま何も行動を起こせずに居る俺に、ミラが突然そう言った。

「私は女性で、魔力も武器を握る力も授からなかったから……貴方や、そしてノクテ様と一緒に戦場に出る事は叶いません。
だから私は、ガーネットになりたい」

この時の俺には、ミラのこの言葉の意味が分からなかった。
ガーネットとは、赤い宝石。その宝石になりたいという彼女の隠された想いに俺が気付くのは、もう少し後……。

「平和の為に……。
ーーいえ。私達の夢の為に、私は水の国へ行くわ。
私は水の国で、クウォンは炎の国で精一杯出来る事をして一緒に夢を叶えましょう!
そして、また必ず……会いましょう?」

顔を合わせていないのに、ミラが昔のままの優しい笑顔で語り掛けてくれていたのが分かった。
「おやすみなさい」と、最後に一言。"さよなら"ではなく、まるでまた何も変わらない明日が来るかのような彼女の言葉が余計に胸に突き刺さった。


ガーネットの宝石ーー。

別名”勝利の石”。
忍耐力と精神力を養って、困難や障害に負けず、前向きに乗り越えられるよう力を貸してくれる。
叶えたい夢や願望を見失ってしまいそうな時、初心の情熱を呼び起こし、揺るぎない信念をもたらしてくれる。
これまでの努力を実らせて勝利に導いてくれる石。

そして、大切な人との別れに再会の誓う友情の印、深い絆。大切な人との愛情を深める”一途な愛”を象徴する石。

大切な人との不変の愛を願う人が、贈る石。


ノクテ様との婚儀が終わった翌日。
俺の元に届いたミラからの贈り物は、ガーネットの宝石が装飾された腕輪だった。

彼女が一体どの想いを込めて俺に贈ったのかは分からないし、今更知ったところで関係が変わる事はない。
ただ一つ言える事は、俺達の願いこそが唯一離れていても繋がっていると言う事。いつ敵国に変わるかも知れない国へ嫁ぐ事を決めたミラの願い。

炎の国と水の国。
互いに手を取り合い、共に助け合って生きる未来をーー。

……
…………。
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